リーダープライス(Leader Price)はフランスの低価格帯のスーパーマーケットチェーンのひとつでしたが、1997年にカジノグループ(スーパーマーケット・カジノ・モノプリ等)の子会社となりました。
リーダープライスは、フランスでも有名なスーパーマーケットチェーンではありますが、私にとっては、近所に店舗がないため、あまり縁がないスーパーマーケットでした。
ところが、リーダープライスはカジノグループ傘下になってもなお、業績不振が続いていたようで、カジノグループの資産処分計画の対象となり、2020年3月にカジノグループは、リーダープライス656店舗のうち、567店舗と同ブランドの3倉庫を7億3,500万ユーロでアルディ・フランス(ALDI France)に売却しています。
カジノグループはその後も残りのフランチャイズの店舗と同様にリーダープライスブランドを維持し続けていましたが、2022年12月に、ノルマンディーとオー・ド・フランスにある残りの90店舗をLPブランドで再スタートすることを発表。同時に特定のリーダープライスの商品は同グループのスーパーマーケットカジノなどでも取り扱いを拡大することも発表していました。
しかし、2024年上半期の業績の中で、フランスのリーダープライスのフランチャイズは、廃止されたと発表。
紆余曲折を経て、どうにもこうにも改善できなかったリーダープライスは、悲惨な末路を迎え、中には、1ユーロという象徴的な価格で売り出される店舗まで登場していたようです。
ところが、この1ユーロで売られた数店舗のオーナーが交代したのは、3月のこと、それから徐々にサプライヤーへの支払いも滞り、従業員への給与の支払いも遅れがちになり、直近3ヶ月~4ヶ月にわたって、給与が支払われなくなったということです。商品も入らず、お店の中はガラガラで開店休業状態。
店舗の売却は、いわゆる「居抜き」の状態で売却されたために、本来ならば、従業員からしたら、オーナーが交代したとしても、そのまま働くことができるわけです。ところが、徐々に給与が支払われなくなって、お店にも商品が入らなくなり、開店休業状態になり、とうとう給与もストップ。
給与の支払いなしに、3ヶ月も4ヶ月も放置されていることに業を煮やして、彼らは、CGT(組合)に通報したところ、同オーナーの所有する店舗5店舗が同様の状態にあることが発覚した模様です。
彼らは、全員、病気休暇の手続きをとったものの、そんな状態を続けることは不可能で、解雇なら解雇で正式に手続きをとってくれれば、それなりに法的に保護された失業手当を受けることが可能であるのに、それもできずに宙ぶらりんの状態です。
一部では、失業者天国とも言われるフランスで、こんな酷いことが起こり得るのか?と驚くばかりですが、彼らは訴えを起こし、1月16日にパリ商事裁判所で審問が行われることになっており、彼らの訴えが認められれば、ようやく彼らには正当な契約解除手続きが行われることになり、失業保険が受給できるようになります。
このオーナーがどのような人で、どのようなつもりで店舗を購入したのかはわかりませんが、そもそも業界大手でも手におえなかった店舗の経営を甘く見ていたのかもしれませんが、従業員にとっては、大変な災難。解雇より酷い宙ぶらりん状態・・こんなことあるの?と思ってしまいました。
リーダープライス Leader Price
<関連記事>
「大手スーパーマーケットチェーン カジノ CASINO 大幅縮小 1,000人以上解雇」
「パリのスーパーマーケットで拡大し始めた日本みたいなお弁当」
0 コメント:
コメントを投稿