我が家の近くにはマルシェがないので、食料品の買い物は、ほぼカーフールで済ませています。
フランス人は、圧倒的に肉食で、スーパーマーケットで買える魚は一年を通して、ほぼ季節感のない、いつもいつも同じ魚ばかり、サーモン、スズキ、舌平目、鯛、アンコウ、イワシ、マグロ、見事にオレンジ色に茹で上がったエビ、プラスチックのような肉厚のイカなどなど、結構な値段がするにも関わらず、そのクォリティには、今まで、ほとほと散々な目にあってきました。
いつか、たまには、ちょっと贅沢に舌平目のムニエルでも・・と思って、高いな・・と思いつつも買ったのに、身はコチコチ、味は、なぜか牛タンの味というショッキングなことがありました。
それ以来、カーフールでは、滅多に魚を買うことはなく、魚といえば、もっぱらPICARD(ピカール)の冷凍のサバを食べています。このPICARDのサバばかりは、本当にいつ買っても安定のクォリティで、間違いがないのです。
それでも、日本人、魚好きの私としては、買い物に行けば、いじましく、一応、魚売り場を確認し、もしかしたら、美味しい魚があるかもしれないと儚い希望を捨てきれないのです。
昨日、いつも通り、魚売り場をのぞいてみると、なんと、珍しいことにアジを売っていたのです。なぜか、フランスでは、アジという魚が売っていることは、稀で、しばらくアジの目の前であれこれと考え、パックになっているものだと量が多すぎるので、売り場で直接おじさんに頼んで、アジを2匹だけ買ったのです。
「え??2匹??って言った?」と聞き返されましたが、「ハイ、2匹だけ・・生で食べても大丈夫?」と確認して、一匹は、アジのタタキに、もう一匹は、焼いて食べようと、いそいそと家に帰って来ました。
さっそく、買ってきたアジの一匹を開き、皮を剥ぎ、細かく刻んで、生姜をすり、ネギと紫蘇の葉を刻んで、アジのタタキを作りました。カーフールで買ったとは思えないほど、身はプリプリしていて、まことに美味しいアジでした。
思わず、2匹しか買わな買ったことを悔いて、追加に買いに走ろうと思ったくらいでした。
しかし、その日は、アパートの排気口の点検の人が来ることになっていたので、外出はできずに思い留まったていたのです。こんなに美味しいならば、アジの干物も作ろうかな?アジフライもいいな・・小ぶりのものなら、南蛮漬けもいいなと、アジを使ったお料理をぐるぐると考え始めていたのです。
しかし、とりあえず、あともう一匹あるのだし、欲張るのは止めようと、デザートを食べながら、最近、また一人暮らしを始めた娘に「ちょー美味しい!食べさせてあげられなくて、残念!」などと、アジのタタキの写真を送ったりしていたのです。
ところが、食事が終わって3時間後くらいに、急にムカムカ、気持ちが悪くなってきて、ちょっと吐いたら、楽になるかな?と思って一度、吐いたのを機に、もうそれからは吐き気が止まらなくなり、トイレに駆け込むことになったのです。
強烈な胃の痛みと、吐き気と下痢に、アブラ汗が止まらず、もはやトイレに座っているのも辛い状態になりました。身体を支えるために、トイレにスーツケースを引っ張り込んで、バケツ片手にぐったり身体をスーツケースにうつ伏せて、ひたすら耐え続けたのです。
これまで何かを食べて食あたりしたりしたことはまるでない私です。いつもと違うもので、食べたといえば、間違いなくアジ・・あんなに美味しかったアジを今では、恨めしく、もう二度とカーフールでお魚を買うものか!!と思いながら、なんとか、ベッドに這っていける状態になって、ひたすら、水を飲みながら、ベッドに横たわりました。
もはや、ipadでYouTubeを見たりする元気もなく、あぶら汗をかいていたと思ったら、今度は、強烈な寒気に襲われ、手足が冷たくなってくるのを震えながら、いつの間にか眠ってしまったのでした。
夜中に目を覚ますと、少し、症状はおさまっていましたが、さすがに何かを食べる勇気はなく、また、ひたすら水を飲んで、今日はもうダメだ・・寝よう!と思いましたが、こんなに昼間に寝てしまって、また眠れるか?と心配でしたが、身体はぐったりしていて、横になると、たちまち、グッスリ眠りました。
こんな状態では、一人で医者に出かけることもできない・・ひたすら、おさまるのを祈るように待ち、翌日、冷蔵庫に残っていたもう一匹のアジを再び、顔を見るのも怖いくらいで、そのまま捨てました。
食あたりのあまりに暴力的な痛みと恐ろしさに今後、二度とカーフールで魚を買うものか!!と私は、固く心に誓ったのでした。
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「やっぱりフランス人は、肉食だなと思わされるパリのスーパーの魚売場」
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