2020年10月8日木曜日

災難続きのフランス アルプ・マリティーム県の大洪水の大被害

 

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 先週末に起こった暴風雨の被害により、フランスのアルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏)は、55の市町村が壊滅的な被害を受けています。

 これまでに4名の死亡者が発見されており、行方不明者も多数いる模様です。

 家が崩壊し、住居を失い、停電状態が48時間続き、水や食料の供給も滞り、地域の人々は、不安に震える日々を過ごしています。

 大規模な洪水が起こり、家が崩壊したり、流されただけでなく、墓地までが決壊し、暮石だけでなく、壊れた棺までが流されてきた光景に、これまでの人生で見たことのない光景だったと村の人々は恐怖の体験を語っています。

 フランスは、土葬の文化のため、遺体の入った棺が流れてくる光景は、衝撃的なものに違いありません。この洪水により、墓地に埋葬されていた150体が流されました。

 家が流され、電気も食料もない中、棺までもが流れてくる光景、もはや、コロナウィルスだマスクだなどとは、言っていられない壮絶な状況です。

 昨日は、マクロン大統領も被害を受けた地域の中で最も壊滅的な状態にある3つの市町村を訪れ、被害に遭った人々と直に接し、地元の住民の話を受け止めていました。

 マクロン大統領に間近で対面し、「家も財産も何もかも失った人の気持ちがわかりますか?私たちを見捨てないで・・」と、半泣き状態で訴える女性に、マクロン大統領は、「私たちは、絶対にあなたたちを見捨てません。救済に当たってくれている全ての人々の連帯に感謝します」と語りかけていました。

 コロナウィルスだけでも、精神的にも疲弊している状況に加えて、この自然の大災害。このような自然の大災害を見るたびに、底知れぬ自然の力に脅威を感じます。フランスには、地震はありませんが、洪水の被害は、度々、起こります。とはいえ、これほどまでの大洪水は、なかなかありません。しかもコロナの蔓延する状況下で・・。

 山に囲まれたこの地域は鉄道も道路も分断され、食料などの物資の支給もヘリコプター、電気もなく、食料が運ばれてくるヘリコプターをひたすら待ち、配給を列に並んで待たなければならない生活を強いられることになったこの地域の人々。

 いつか、東日本大震災が起こった時に、周りのフランス人がフランスでこんなことが起こったら殺し合いが起こるかもしれないと言っていたことを思い出しました。災害には、あまり免疫がなく、ストレスに弱い、我慢が苦手な人々の精神状態も心配です。

 マクロン大統領は、同時にこの地域の復興に1億ユーロを用意することを発表しました。このコロナウィルスで逼迫している経済状況の中、追い討ちをかけるような大出費です。

 今や、フランスのコロナウィルスの感染拡大は、誰もがこれが第2波であると認めることを躊躇わない感染状況、昨日の新規感染者数は、とうとう1万8千人を超え(18746人)、もはや、数字の感覚がマヒしてくるような数です。

 イル・ド・フランス(パリ近郊地域)の病院の病床の40%以上はコロナウィルスの患者で占められている状況、検査陽性率は9.1%にまで上昇しています。つい数日前にパリが最大警戒地域に指定され、さらに厳しい規制が敷かれたばかり、この規制の効果が表れるのには、少なくとも2週間は様子を見なければなりませんが、それを待たずして、さらに厳しい規制が追加される可能性も出てきました。

 コロナ、火災、テロ、デモ、大洪水と、人災も天災も含めて、これでもかというくらい災難続きのフランス、本当に大丈夫だろうか?と不安が募ります。


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