2020年10月23日金曜日

新規感染者数4万人突破のフランス 夜間ロックダウン54地域に拡大

 

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 ヨーロッパのコロナウィルス感染第2波が叫ばれ始めていますが、やはり、フランスは、他のヨーロッパ諸国の追随を許さないことを示すかのごとく、また新記録を更新し、とうとう昨日の1日の新規感染者数は、41,622人。4万人を軽々と超えてしまいました。

 この一週間のフランスの新規感染者数は189,359人、約19万人もの感染者が出ているのです。もう数字の感覚が麻痺してきて、何の数字だかよくわからなくなります。

 ヨーロッパ全体の感染状況が悪化しているのは事実ですが、同日の、ヨーロッパ諸国の新規感染者数は、スペイン20,986人、イタリア16,079人、イギリス 21,242人、ドイツ 5,780人と、フランスの4万人とは比べものになりません。

 ほんとうに、フランスは、一体、どこまでいくの? か 不安です。

 現在のフランスでは、1日に200件以上のクラスターが発見され、過去7日間で10,166人がコロナウィルスのために入院し、そのうちの1,627人が ICUでの集中治療を受けています。

 現在、集中治療を受けている患者の総数は2,248人、集中治療室での平均滞在期間は8週間近いため、このまま患者数が増え続ければ、患者が積もり重なって、パンク状態になる日もそう遠くはありません。

 この一週間のフランスのコロナウィルスによる死者は1,085人、一日150人近くが亡くなっている計算です。

 ジャン・カステックス首相は、会見で、「コロナウィルス感染の流通は非常に高いレベルに達し、15日間で症例数は2倍、65歳以上の症例数は3倍になっている。事態は深刻です」と発表し、パリ・イル・ド・フランスなどで、すでに開始されている9時以降の外出禁止(夜間ロックダウン)を前回指定された地域に、さらに38地域を加えた、合計54の地域に拡大することを発表しました。フランスの地図が再び真っ赤に染まり始めました。

 すでに先週から夜間外出禁止の措置が始まっているイル・ド・フランスを含む8つの大都市圏では、毎晩12,000人の警察と憲兵隊が動員されチェックが行われていますが、すでに一週間で、4,777人が違反として切符を切られており、それぞれ135ユーロの罰金が課せられています。

 これだけの深刻な状況にも関わらず、深刻な状況を認識せずに、一週間でこれだけの違反が摘発されることがさすがフランスだなと思います。

 この一週間のフランスの新規感染者数は189,359人、約19万人の感染者が出ているのです。

 これだけの感染者がいるということは、もう夜間の外出を禁止したところで、日中でさえ、普通に感染のリスクが高まっているということ・・そりゃ、やらないよりはやったほうがいいに決まっていますが、この感染者上昇の波がそれだけで抑えられる状態なのかは疑問が残ります。

 イル・ド・フランスの病床のコロナウィルス患者の占拠率は60%を超えている状態です。

 しかも、此の期に及んで、地域間の移動に関しては、放置されたままです。

 感染者追跡については、開発したにも関わらず、わずか3.5%しかダウンロードされることなく失敗に終わったアプリ「STOP COVID」に変わって、新しいアプリ「TOUS ANTI COVID」が新しく開発されたことを発表し、ダウンロードを呼びかけています。

 しかし、フランスのこと、少なくとも検査で陽性となった人には、アプリのダウンロードを義務化するなどの措置を取らなければ、ただでさえ縛られることを嫌う彼らに、いくらアプリが新しくなったとて、ただ、普通にダウンロードを呼びかけるだけでは、それが浸透するのは難しいのではないかと思っています。

 義務化するか(罰金を課すか)、何らかの利点がなければ自らを締め付けるようなことをフランス人が積極的にするはずがありません。

 このところ、1日の感染者数が一週間ごとに1万人単位で増えているフランス。

 夜間外出禁止の効果がいつ表れて、これが減少してくれるのか? それとも、もはやそれを上回る勢いに乗ってしまったのか? 今後の新記録更新がさらに心配されます。


<関連>

「フランスの新規感染者3万人超えの中の医療介護者のデモ」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/10/blog-post_16.html

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