2020年10月29日木曜日

フランス 再びロックダウン・・少なくとも12月1日まで


フランス 大統領からの発表の前に流れる映像



 この約1年あまり、この映像をどれだけ見たことかと思います。大統領からの重大な発表が行われる度に、大統領の発言が流れる前に、フランス国歌マルセイエイズとともに、威風堂々としたエリゼ宮(大統領官邸)を背景にしたこの映像が流れます。

 フランスは、今年、それだけ、重大な局面を何度も迎えているということです。

 昨夜は、前日からの予告どおり、マクロン大統領から、10月30日(金)午前0時より、少なくとも12月1日まで、再びフランスは全土にわたり、ロックダウンの措置が取られることが発表されました。

 特にここ2週間のフランスのコロナウィルスの感染拡大は、予想を遥かに超えたスピードで進み、感染者数等全てが倍以上の数に膨れ上がり、また、前回の第1波に比べると感染は、全国くまなく広がっており、パリ・イル・ド・フランスの病院の集中治療室の75%は、コロナウィルスの患者で埋まっています。

 今回の第二波で、すでに医療崩壊を起こしているオー・ド・フランスなどの地域では、すでに患者の移送が始まっており、この感染が増加し続けている状況では、他の地域の病院でも患者が増え続けている中、その患者の移送さえも困難な状況に陥るのも時間の問題です。

 現在のところ、毎日3000人前後の人が新たに入院しており、すでに3045床の集中治療室の病床が埋まっている状態。現在の感染状況から、11月半ばには、9000床の集中治療室の病床がいっぱいになる事が見込まれるため、ロックダウンは、待ったなしの状況で、約2週間前に取られた21時以降外出禁止の効果が表れるのを待つまでもなく、もう後には、引けない状況なのです。

 このロックダウンの話が具体的に上がり始めて、当初は、「金曜日の夜からロックダウン」という事であったのに、それが一日繰り上げられて、木曜日の夜からになったのには、もう一日たりとも猶予がない状態であることに他なりません。

                

店外まで行列ができるスーパーマーケット

         

 もはや誰もがロックダウンだ・・とわかっていた証拠に、昨日は、すでにスーパーマーケットには、ものスゴい人出、そういう私も、家から少し離れたところにあるアジア食材店には、ロックダウンになったら、行きにくくなるだろう・・と買い物に出かけたところ、午前中の比較的早い時間に出かけたにも関わらず、すでに店の外まで長蛇の列。

 しかし、わざわざ出かけてきたのに、買い物せずに帰るのも馬鹿らしく、列に並ぶこと15分くらい? 近所のカーフールなどのスーパーマーケットでは手に入りにくい日持ちしそうな大根やキャベツなどの野菜や調味料などを物色してきたのです。

 安全対策のために、入場制限を行なっているのかと思いきや、店内にも、ものすごい人、レジにも長蛇の列・・買い物を済ませるのにも、いつもの倍以上の時間がかかりました。

 5月にロックダウンが解除されて以来、久しぶりにロックダウンを見据えての買い物。つい忘れていましたが、ロックダウン時の買い物というのは、こんな感じ(どこでも行列・時間が異常にかかる)なのだった・・と、実感として思い出したのでした。

 今回のロックダウンは、幼稚園から高校までの学校は閉鎖せず、仕事もできる限り継続(工場や農場なども継続)、EHPAD(エパッド・老人介護施設)の面会が許可されている事が前回と違う点として挙げられています。

 全ての外出に際して、再び、外出証明書の携帯が必要になり、不携帯の場合は、135ユーロの罰金が課せられます。レストランに関しては、宅配、持ち帰りのみの営業となり、店内での飲食はできなくなります。

 詳細については、翌日発表とのことでしたが、つい一週間ほど前までは、あくまでロックダウンはせずにコロナと共に生きる、経済を回しながら、衛生管理を行う姿勢を崩さなかったマクロン大統領がロックダウンに踏切らざるを得なかったのには、フランスのあまりに急激で深刻な感染拡大があります。

  

再ロックダウンを発表するマクロン大統領

 それでも、今回の発表でも、現在の感染拡大は、ヨーロッパ全体で起こっていること・・というマクロン大統領。たしかにヨーロッパ全体で起こっていることには違いはありませんが、フランスは、他のヨーロッパ諸国とは群を抜いていることには言及しません。

 私の穿った見方かもしれませんが、あくまでヨーロッパ全体のこととしようとする不透明感からか、いつもの発表に比べて、力強さもオーラも感じられませんでした。

 しばらく自由に出かけられなくなるフランスでは、最後の一日、どこでも、大変な人出になること間違いありません。


<関連>

「ヨーロッパのコロナウィルス感染拡大 国の対策の取り方で明暗を分けた理由」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_20.html

 

1 コメント:

けーた さんのコメント...

はじめまして、何処かのニュースサイトに転載されていた記事から辿ってブログを見つけてから、更新のたびに読んでいます。
ヨーロッパ・フランスのコロナ関連の内容が興味深いです。

コロナ禍をうまく乗り切っている国ランキング
https://news.mynavi.jp/article/20201029-1443765/
仏有力紙、新型コロナへの韓国の対応を批判 韓国大使館が抗議
http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=75475

韓国のように人権侵害紛いの追跡もせず、PCR検査の数が少ないと国内外から散々叩かれながらも、トップクラスの成績を叩き出した日本について考察していただけませんか。

可能でしたらよろしくお願いいたします。