2020年10月3日土曜日

コロナウィルスの死亡者数にカウントされないコロナの犠牲者

 


 フランスもここまでコロナウィルスの感染者が増えると、さすがに身近なところでも誰かしらコロナウィルスに感染したという話をよく聞くようになりました。本人でなくとも、家族や親戚、友人など、どこかしらに感染者がおり、犠牲者の話も聞きます。

 しかし、犠牲者は、コロナウィルス感染者だけではないという話を身近な友人から聞きました。

 友人の連れ合いの妹さんが亡くなったというので、この時節柄?もしかして、コロナウィルスで?と聞くと、癌だったのだそうです。

 ところが、この彼女の場合は、コロナウィルスとあながち関係ない話でもなく、コロナウィルスのために手遅れになった話です。

 彼女は2年前に癌の手術を受けていました。その後、仕事にも復帰し、旅行をしたり、日常どおりの生活を送っていましたが、同時に不安の残る、首から鎖骨にかけての部分的な放射線、抗がん剤等の治療も続けていました。

 コロナウィルスが蔓延し出してからは、彼女は、2年前に手術を受けたり、放射線治療を受けたりしていたことから、かなり感染に注意した生活を送っていたそうです。

 しかし、彼女は、ロックダウン中に発熱し、その状態が数日、続いたためにコロナウィルス感染が疑われ、PCR検査を受けました。しかし、結果は陰性で、コロナウィルスには感染していないことがわかりました。

 病院では、コロナウィルスで手一杯な状態で、コロナウィルスに感染していなければ、まるで病気ではないような扱いで、ただの発熱など問題にされず、彼女の発熱の原因を追求するための検査は、行われず、そのまま彼女の容態も一進一退を繰り返していました。

 実際に、具合が悪い中、あの医療崩壊を起こしていた病院に出向くことも躊躇われただろうし、病院の方でも、とても他の検査など受けられられる状況ではなかったのです。

 いつまでも、スッキリしないどころか、彼女の体調は、どんどん悪化していき、体重も減少し始めて、再度、医者にかかった時には、「余命は、あと一週間です」という状態。

 彼女はあっけなく、一週間後に亡くなりました。55歳でした。彼女の娘はバカロレアの試験を控えた年齢、今年はバカロレアの試験は行われませんでしたが、わけのわからないうちにあっという間に母親を亡くしたショックは計り知れません。

 これは、マスコミのニュースには、上がって来ない話ですが、このような例は、きっと、たくさん起こっている話なのだと思います。どこにも持って行きようのないこの憤りに遺族は、未だに打ちひしがれています。

 コロナウィルスで亡くなった場合は、葬儀も不可能な状態でしたが、彼女の場合は、大々的にではないにせよ、葬儀はひっそりと執り行われたそうです。まだ現役で、しかもエネルギッシュに仕事以外の活動にも幅広く顔を出していた彼女の葬儀は、およそ彼女に似つかわしくない寂しいものだったそうです。

 毎日、コロナウィルスでの死亡者数は、公に発表されていますが、実のところは、その数字には、カウントされない、本来ならば、助かるはずだった命が失われていることを忘れてはなりません。


<関連>

「コロナウィルスによる医療崩壊の事実と社会の崩壊の危機に直面するフランス」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_23.html

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