2020年10月25日日曜日

新規感染者数4万5千人突破のフランス 取締りの警察もさらに強硬化

 

                                                      パリ市内を取り締まっているBRAVM


 昨日のフランスの一日の新規感染者数は、45,4222人。フランスは3日連続で、新記録を更新し続けています。当然のごとく、あらゆる数字が悪化しています。

 それでも、ロックダウンではなく、日中は街には人が往き交い、レストランなども全て営業していることもあり、週末ともなれば、気が緩みがちな街中を、一般の警察だけではなく、通常では、あまり目にすることのないBRAVM(Brigades de répression de l'action violente motorisées・暴力行動抑止団)がパリ市内を取り締まっています。

 このBRAVMは、通常は、テロやデモなどの暴動や暴力行為などの緊急事態に編成されるバイクで移動する憲兵隊のような性質をもつ連隊で彼らが身を包んでいる防護を兼ねたヘルメットを含めた制服も黒づくめで威圧感があり、退去の求め方なども警察よりもさらに容赦のない雰囲気が漂っています。

        

               歩いているだけで物騒な感じ漂うBRAVM


 土曜日の午後、パリのあるレストランのテラスでは、賑やかにグラスを傾ける人々のもとに現れた彼らは、歓談するお客さんたちに向かって、「ソーシャルディスタンスが取れていませんから、今すぐに退去してください!」と退去命令。

 突然の彼らの登場に動揺しつつも、彼らの威圧的で有無を言わさない強硬な態度に、慌てて立ち去るお客さんたちは、支払いをする間さえも与えられません。

 お客さんにとっても、あまりに突然の彼らの登場に動揺してのことなのか? ビールを片手に、「マスクは、ここに持ってきている・・」とか、ビール片手に席だけ移動して居座ろうとしたりしていましたが、お金を払わないで済んだこともあってか? 彼らの威圧感からか? 一応、文句を言い返しつつも、わりとあっさり退散。

 レストランの店主でさえも料金を回収できなかったにも関わらず、すごすごとテーブルを片付け、店内に消えて行きました。

 本来ならば、レストラン側が衛生管理の基準に満たない状況での営業を違反と見なされて罰金、あるいは営業停止となっても致し方ない状況でもありますが、直接、お客さんを退散させることで、直ちに人が集まっている状態を有無を言わさずに、とにかく即座に解散させるやり方は、フランスの取り締まりには必要なのかもしれません。

                   

             環状線で車を止めて外出証明書のチェックをする警察
      

 21時以降の外出禁止の取締りは、車での移動の取締りも強化。パリ市内を通る環状線は午後9時になると、警察が一台一台、車を止めてチェックを行なっています。もちろん、外出証明書がない場合は、一人につき、135ユーロの罰金です。

 もちろん、渋滞に巻き込まれたなどの言い訳も一切、通用しません。

 それでも出かける若者たちは、一応、門限に間に合うように、まるでシンデレラのように必死な様子で、21時近くになると、バスやメトロに乗るために、普段は決して急いで走ることのない彼らが走っている様子が見かけられるそうです。

 また、パリで若者に大人気の有名な大きなレストランなどは、夜8時半ごろになると、彼らが読んでいるUber(タクシー)の長蛇の列ができるそうです。

 21時門限では、はなから楽しめないと、家に集まり食事をしている人たちも少なくないようですが、それでも外に出たい!外で楽しみたい!と思う若者たちが、普段の生活ではありえない門限に間に合うように必死になっている姿には、滅多に見られるものではありません。(単に罰金を払いたくないのだと思いますが・・)

 そんな彼らに、ただただ、集まるな!戯れるな!と怒るには忍びない気もするのですが、そこは、今のフランスの状況を考えれば、今しばらくは、辛抱してもらいたい・・と、思うのです。


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