2020年10月20日火曜日

コロナ禍中のフランスの歯医者 ② インプラントと入れ歯

 


 前回、コロナ禍中に感染が怖くて行くのをためらっていた歯医者さんに、どうしても行かざるを得なくなって、渋々、出かけたら、思いの外、衛生管理がなされていて、(体温チェックやプラスチックのガウンとハットの着用や荷物のお預かりなどなど・・)めんどくさいな〜と思いつつも、やっぱり、この方が安心かな?と、思いなおして、着ていたガウンとハットを返して、帰ろうとしたら、次の患者さんがやってきて、なんの躊躇いもなしに私がさっきまで着ていたガウンとハットを次の患者さんに着るように促したのには、絶句しました。

 感染回避のために着用するガウンって普通、使い捨てだろ!あまりに唖然として、その場で言葉が出てこなかったのですが、あれから家に戻ってからも、モヤモヤして・・やはり、違うよな・・と思いながら、着ていたものを洗濯したり、シャワーを浴びたり・・今度、行った時には、あのガウンについて、確認しなければ・・と強く心に決めていました。

 そして、2回目の診察の日がやってきました。「絶対にガウンが新品かどうか確認しなきゃ! 」もしかして、使い回しのものを出されたら、「それは、おかしいでしょ!・・とちゃんと言わなきゃ!」と思いながら行くと、あっさり、新品のプラスチックのガウンがダンボールの中に雑に置かれており、「あっ!今日は、大丈夫だ〜」と、肩すかしを食ったのでした。

 前回は、もう土台もダメになってしまった歯を抜かれたので、さて、今日は、どうするのか?と思っていると、前回、歯を抜いた箇所をちょっとイジって終わり・・しばらく、傷が塞がるまで待たなければいけないとのこと・・。

 いつまでも、治療が進まず、見通しが立たないのも、嫌なので、このまま放っておくわけには行かないし、この先、どういう選択肢があるのか、恐る恐る聞いてみました。

 歯医者といえば、なかなかな金額を請求されるので、予め、見積もりを出してもらって、それから、その見積もりをミューチュエル(健康保険でカバーされない分をカバーしてくれる保険)の会社に送って、どのくらい保証されるのかを聞いてみてから、どの程度の治療にしてもらうのかを決めるのです。

 結局のところ、インプラントにするか、つけ外しのきく器具にするか?どちらかだと言うのです。つけ外しのきく器具???よくよく考えてみれば、それって入れ歯のこと???入れ歯って入れ歯??・・ショックでした。

 インプラントが高いのだけは知っていたので、はなから、「インプラント???ムリムリムリムリ!!!お金ないもん!」と言うと、「それだと、入れ歯になるけど・・取り外しのきく入れ歯ならセキュリテソーシャルも一部はきくけど、インプラントは、セキュリテソーシャルは効かない・・」と、絶望的な回答。

 つけ外しができると言うと、なんだか、一見、便利そうな気もしてしまうのですが、考えてみれば、歯など、本来、つけ外しの必要がないもので、エラく面倒に違いありません。

 そして、私は、何より「入れ歯??」というものについて悩む日が来たことがショックでなりませんでした。

 金額は、インプラントで1本、2000ユーロ(約25万円)、入れ歯で1200ユーロ(約15万円)、どちらにしても、なかなかな出費ですが、正直、インプラントと入れ歯の値段は、もっともっと違うのかと思っていました。

 まだ、保険会社に見積もりを送っていないので、どのくらいカバーされるかはわかりませんが、保険会社の回答を待つまでもなく、毎日毎日、面倒な思いをすることを考えれば、1000ユーロの違いは、目を瞑るべきかと思い始めています。

 それにしても、入れ歯について悩む日が来たことに、何よりショックを受けている私なのであります。

 動物は、歯が弱り始めることで、衰弱していくと言いますが、まさに私もそんな年齢に達しているのかと思うと「ガウンを使い回すな!」と息巻いていた私も、入れ歯ショックで、しょぼんとして帰ってきたのです。

 そして、家に帰ってきてから、思い返してみると、そういえば、体温チェックがなかった!と、また後になってから、思い出すのでした。

 一つのことが気になると、その他には、注意が行かなくなる・・これも老化の一部です。


<関連>「コロナ禍中のフランスの歯医者 ①」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/10/blog-post_9.html



0 コメント: