2020年10月1日木曜日

恐ろしく物騒になってきたフランス

 

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               殺された18歳の女性


 ここのところ、フランスでは、この深刻なコロナウィルスの感染状況を吹き飛ばすような物騒な事件が立て続けに起こっています。

 まさに、コロナウィルスのニュースを一掃したかのごとくの大ニュースになったパリ11区で起こったテロ事件からまだ一週間も経っていません。

 シャルリー・エブド(風刺週刊紙)(2015年のテロの標的になった会社)の元本社前で休憩中だった数人が肉切りナイフで襲われ、突然のテロ騒ぎに周辺の学校などは、その日の午後は、俄かにロックダウン状態になりました。

 主犯の二人はすぐに逮捕され、共犯者と見られる数名も後日、逮捕されており、彼らの供述から実際の事件以上に壮大なテロを計画していたことがわかっています。

 また、今週に入ってからは、オーヴェルニュ・ローヌのイゼール県で18歳の女性が行方不明になり、その2日後にヴィルフォンテーヌの小川で遺体で発見されるという痛ましい事件がありました。

 彼女は、事件当日、帰宅途中、午後7時頃に帰宅途中である旨を家族に電話を入れており、いつまでも帰宅しない娘を案じて、その夜のうちに家族が警察に通報しています。

 翌朝には、彼女の姉がフェイスブックで妹が行方不明になったことを投稿し、その後、すぐに警察や憲兵隊、地元の住民などによる大規模な捜索が開始され、2日後には、通常アクセスが困難な森林地帯の中の小川に沈んでいる遺体が発見されました。

 夜も早い時間にバスがなくなってしまったことから、いつもはバスに乗る道を彼女は歩いて帰宅しようとしていたと見られています。近隣は、夜になると、ひと気もなく、街灯もなく、監視カメラもないことから目撃者も今のところ現れていません。

 遺体は解剖され、直接の死因は第三者の介入による溺死であり、事故ではなかったことが発表されていますが、それ以外の詳細な解剖結果は、発表されていません。

 家族にとっては、ほんの数時間前に電話で話した娘が遺体となって発見されるなどとは、とても受け入れがたいことに違いありません。ごくごく普通の生活から、あまりに突然の家族の死、しかも殺されるなどということがどうして受け入れられるのでしょうか?

 敬虔なカトリックの家庭に育った彼女は、滅多に夜、外出することもなく、真面目な生活を送る明るく聡明な女性だったそうです。

 遺体の近くで発見された彼女の所持品は、犯人の手掛かりになるものを発見するために、パリの科捜研に送られ、詳細に調べられているそうですが、今のところ犯人は逮捕されておらず、今も逃走中です。

 捜査のためには仕方ないこととはいえ、被害者である彼女や彼女の家族の私生活も詳しく調べられ、その一部は世間にも公表されるという耐えがたいであろう二次被害に遭っています。

 我が家でも、つい最近、娘が地方の会社でスタージュのために一人暮らしを始めたばかりで、とても人ごととは思えず、不気味で恐ろしい事件に心穏やかにはいられません。

 そして昨夜、パリの20区でナイフで滅多刺しにされた二人の女性の遺体が発見されたというニュースが飛び込んできました。猟奇的な残酷な殺人で、ナイフは頭蓋骨にまで達していたというのですから、恐ろしいことこの上ないです。

 こちらの方は、精神科に通院歴もある男が逮捕されていますが、なんだかもう次から次へと物騒な話ばかり・・コロナウィルスの感染が警戒状態に達している上に、殺人事件がこう立て続けに起こる恐怖には、だんだん精神的にも疲弊してしまいそうです。

 しかし、逆に言えば、このような事件が多発するようになってきたのは、コロナウィルスによる様々な生活の制限や経済状態の悪化も影響しているとも考えられ、特に、ストレスに弱い、抑えつけらることに反発するフランス人(と勝手に私は、思っている)にとっては、コロナウィルスが他の病的かつ暴力的な事件を生む一端を担っているような気がしてなりません。

 このような負の連鎖を断ち切るためにも、コロナウィルス根絶への道は遠いとしても、政府には、上手にコロナウィルスと共存していく道をうまく導いてもらわないと困る!と強く思うのです。


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