フランスのロックダウンが俄かに現実味を帯びて、囁かれ始めてから、一週間も経たないうちに、あっという間に、フランスは、再びロックダウン状態に突入しました。いつ、ロックダウンになってもおかしくない状況だと思いつつも、いざ、実際にロックダウンになるのは、やはり、残念なことに違いありません。
だって、少なくとも、11月一ヶ月は、まるまるロックダウンなのですから・・。
ロックダウン寸前の数日は、皆が買い物に走ったり、冬ごもり支度をするような動きはありましたが、ロックダウンも2回目ということで、パリでは、一部のお店が混雑したり、行列ができたりしたものの、前回のようなパニック状態にはならずに、皆、淡々と準備を進めるという感じでした。
実際に、今回のロックダウンでは、学校も継続され、基本的には、仕事も継続されるため、家族で狭いアパートで一日中、ぎゅうぎゅうに、悶々と過ごすということもなく、何より子供が学校に行ってくれることで、家族4〜5人分の昼食を含めた一日3食の食事の支度全てを家でする必要がないので、食料品の買い物なども、大幅に違ってくると思われますし、精神的、金銭的な負担も少ないのではないかと思います。
まだ、一日しか経っておらず、これからどんなことが起こってくるのか、わかりませんが、街の様子を眺めるに、街中は前回のようなシンとした感じはなく、意外と皆が外に出ている・・そんな印象を受けました。
私は、ロックダウンの初日、本当は、歯医者さんの予約が入っていたのですが、出かけようとしていたら、急に電話で、今日は、閉めなくてはならなくなったから、来週に予約を変更してほしいと連絡が入り、医者には、行けるはずなのに、今日は閉鎖・・何だろう?と、ちょっと不可解でした。
今回は、仕事や学校の継続や、公共行政機関の継続、公園の解放など、ロックダウンとはいえ、前回のロックダウンに比べると、若干、緩いロックダウンではあります。基本的に、生活必需品以外の商店は、閉鎖ということになってはいますが、これにも営業許可と営業禁止の境界線が不明瞭な点があり、ちょっとした論争が生まれています。
Fnac・フナック(フランスの書籍、情報機器、電化製品等を扱う総合小売店)などは、店舗は営業していますが、書籍コーナーは閉めています。その他、ガーデンセンター、DIYショップなども営業を継続しています。この一見、生活必需品か否かの区別がつきにくい店舗の営業により、不公平感を抱く店主が少なからずいて、特に、特別警戒地域ではなかった地域などの市長などが、店舗の営業許可を求めて、論争を起こし始めています。
私のところにも、さっそくメガネ屋さんからメールが届きました。「うちは、開けてますよ〜!」っていうメール。どうやらメガネ屋さんは営業できるようです。
だいたい、フランスは、コロナの前からデモだのテロだのストライキだの、昨年末からまともに営業できないお店が多かったのです。
とにかく黙って引き下がらないフランス人ですが、本来ならば、ノエル(クリスマス)前の一年のうちでも最も書き入れ時のシーズン、なんとか少しでも挽回しようと必死になるのもわからないではありません。
この営業許可と営業禁止の境界線を巡っては、今後、ロックダウン中にひと騒動を迎えそうな気がしています。
政府は、これに対して、とりあえず、ロックダウンから2週間、様子を見て、営業許可ができるような状況であれば、検討するとしていますが、先日のマクロン大統領の発表によれば、11月の半ばには、感染状況は、かなりの危機的な局面を迎えることが予想されており、現段階での営業許可範囲を拡げることは、ロックダウン自体の意味が揺るぐことにもなりかねません。
とはいえ、一般市民としては、前回よりは、少し、慣れたこともあり、また、規制が少し緩いこともあり、少しは、凌ぎやすそうなロックダウン、一日、一時間の自宅から1km圏内の運動目的の外出も外出許可証さえ携帯すれば可能だし、また、公園に多くの人が集まって、やはり、公園は立ち入り禁止・・なんてことにならなければ、前回ほどの鬱屈した感じにはならないかもしれません。
ただし、妙な慣れから調子に乗って、現在、許されていることが、明日には禁止事項になる可能性も高いフランス。ほどほどに息抜きしながら、なんとか、一日も早く、感染がおさまってくれるのを待ちたいと思います。
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「コロナウィルス対策の外出禁止 パリでは、日中の運動のための外出も禁止」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_9.html
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