「とにかく、どんなことがあっても来年は必ずやります」IOCとの共通の認識の上での発言なのかどうかは、わかりませんが、日本のオリンピック組織委員会は、来年に延期された東京オリンピックを是が非でもやろうとしているのには、思わず失笑してしまいます。
少なくとも、今のフランスの状況、世界の状況から考えたら、あり得ないことです。フランスでは、毎日、1万人以上の新規感染者を記録し、経済に余裕があれば、ロックダウンをするであろう状態、ニューヨークのブルックリンやクィーンズの一部地域では、再び学校閉鎖や一般企業の営業停止の措置が取られているそうです。
こんな世界の状況で、おそらく、多くの日本人も来年のオリンピックは無理だと思っていると思います。オリンピックを絶対にやる!と言っているのは、JOCの一部でしょう。
ワクチンが開発されたとしても、その安全性の確保には時間がかかり、来年の夏のオリンピックには、有効とも思えません。
日本の今のコロナウィルスの感染状況がここまで抑えられているのは、日本の日頃からの衛生観念の高さや独特な国民性によるところが大きいのです。もしも、日本だけでオリンピックを開催するならば、それは、可能なことかもしれませんが、それは、オリンピックではありません・・つまり無理です。
衛生管理を日本人が担うとしても、どう考えても日本人レベルの衛生観念を外国からの観客やマスコミに向けて強制して統制管理を敷くことは、生半可なことではありません。
外国人をなめてはいけません。
以前、父が介護施設に入居する際に、日本で施設を下見に行った時にはすでに、入り口では、必ず手を洗い、アルコールジェルでの消毒が義務付けられていて、職員のほとんどの人はマスクをしていて、施設内は、ピカピカに掃除されていて、「そこまでするの??」とびっくりしたことがありました。コロナウィルスの影も形もないずっと以前のことです。
今から思い返すに、現在のコロナウィルスが蔓延している状況でさえ、恐らくフランスの介護施設などは、あそこまで清潔な感じはないと思います。
日本に行くと、どこも清潔で、駅も地下鉄もピカピカで、眩しく感じられるほどです。日頃、駅によってはアンモニア臭の漂うような国で暮らしていると、日本の清潔さが眩しくさえ感じられるのです。
そのうえ、その悪臭漂うところを歩いた土足のままで家に上がったり、地べたに座り込んだりするのが当たり前の日常で、考えてみれば、コロナで衛生管理がされている今でさえ、フランスでは、日本の通常の(コロナ以前の)衛生状態以下かもしれません。
おまけに規則があっても、罰則、罰金がなければ、多くの人は守りません。興奮すると手がつけられず、すぐにお祭り騒ぎになるラテン気質爆発で、飛沫を飛ばしまくります。
ヨーロッパの中でもフランスは、特に感染状況が最悪ですが、衛生観念の欠如は、日本のそれとは、大きく隔たりがあることではヨーロッパは大概、共通しています。そんな外国人が大量に日本になだれ込み、世界中の人が集うオリンピックは、今の段階では、大きなクラスターになる可能性を含んでいます。
現在の感染状況で、オリンピックのために入国する大量の外国人の統制は、簡単なことではありません。
逆に言えば、日常から皆が清潔で、マスクをし、除菌シートを持ち歩き、皆が規則をきっちり守り、しかもお互いが監視しあう日本は、まさにコロナウィルス感染回避に最高の習慣をもち、同時に、かなり特殊な国であるとも言えます。
今年のオリンピックを延期するときに、思い切って、なぜ4年後に延期しなかったのか? 安全性を確保するためには、4年に1回のオリンピックの1回分をすっ飛ばして、4年後の開催でギリギリなのではないか?と私は思っています。
むしろ、海外では・・少なくともフランスでは、オリンピックの話題などは微塵も上がっておらず、こんなときに、何が何でも来年はオリンピックをやる!などと言っているのは、世界の状況が見えていないようで、恥ずかしい気がしています。
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「コロナウィルス対応 日本人の真面目さ、辛抱強さ、モラルの高さ、衛生観念はやっぱり凄いなと思う」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_28.html
「世界は、オリンピックどころではない 日本人は、世界のニュースを見るべき」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_21.html
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