一昨日のフランスの1日の新規感染者数は52,010人を記録し、この日の世界の感染者数を見ても、アメリカ 61,117人、インド 45,158人に次いで、世界第3位、いやいや、インドは超えて、世界第2位・・。しかし、人口を考えるとアメリカの人口はフランスの5倍、インドに至っては、21倍の国、実質的には、フランスは世界一とも言えます。
この感染拡大は、フランス人の多くが本格的にバカンスに出始めた8月頃から徐々に増え始めましたが、特に、10月に入った頃(ここ1ヶ月ほど)からの上昇は、グラフの上昇曲線が斜めから縦線になるのではないかと思うほどの増加の仕方です。
これには、Conseil Scientifique Covid-19 (コンセイユ サイエンティフィック)(フランスのコロナ対策の科学評議会・フランス政府に科学的助言を提言する機関)の議長・フランソワ・デルフレシ教授は、「フランスの1日の新規感染者数について、直近の公式発表の倍にあたる10万人程度になっている可能性がある。感染は、予想以上に早く拡大している。早急に次の対策を講じる必要がある」と発表しています。
すでに、フランス北部を中心に医療崩壊が始まり、患者の移送も始まっています。先週の段階では、すでにオー・ド・フランス(フランス北部の地域圏)から、2人の患者がベルギーに移送され、先週末から週明けにかけて、ルーベ(フランス北部・ノール県)の病院では26人の患者が、リヨンから4名、ヌーベル・アキテーヌから8名が、飛行機やTGVを使って、国内の他地域に、移送されており、3月末から4月にかけて、フランスが必死に行なっていた国内大移動作戦が始まりました。
今回は、感染がフランス全域に広がっているため、この移動大作戦がいつまで持つのかは、この感染の速度を考えると非常に悲観的になります。
特別警戒地域での夜間ロックダウンが始まって、すでに、10日が経とうとしていますが、一向にこの夜間外出禁止の成果が表れず、それどころか、感染状況が悪化の一途を辿っていることから、新たな制限がここ一両日中にも発表されるようです。
もはやフランスに残された道は、3月同様のフランス全土にわたる完全なロックダウン状態か? 地域によって夜間のみではなく終日ロックダウンを行うか、夜間の外出禁止に加えて、週末の外出禁止、もしくは、外出禁止時間帯を夜21時からではなく、19時からとか17時からにするという案も出ているようです。
いずれにしても、もはや現在の夜間のみの外出禁止だけでは、フランスの感染は止められる状況ではなく、テレビのニュースなどでも、フランスはコントロールできていない状況になっていることを憚らずに述べるようになり、(当然だけど・・)、恐らく、ロックダウンしない限り、フランスで感染がおさまることはないかもしれない・・と多くの人が思い始めていると思います。
検査で陽性になった人の隔離も、フランスのような観光大国にはホテルの空き部屋は山ほどあるので、それを利用すれば良かったと思いますが、感染者が1日、5万人も出ている状況では、もはや、その人たちを毎日毎日、隔離することも不可能で、家にいろと言っても、何かと理由をつけては出歩く陽性者を管理できないのであれば、ロックダウンしかないのではないか? と思ってしまうのです。
前回のマクロン大統領の会見では、フランスはコントロールできている状態だと言い張っていましたが、コントロールできている状況で今の事態はありえないのです。
ロックダウンが感染状態の最も深刻な地域のみだとしても、パリ(イル・ド・フランス)は、オー・ド・フランス(フランス北部)に次いで深刻な地域。私もロックダウン生活突入を覚悟して、今日もこれから銀行の用事を済ませに行ってきます。
フランスでは、「国民のショックを考えて・・」という政府の発言をよく聞きますが、ロックダウンは、ショッキングなことではあっても、もはや、誰も驚かないと思います。
<関連>
「パリ、イル・ド・フランスをはじめとするフランス8都市での夜21時以降の外出禁止」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/10/21.html
1 コメント:
>一昨日のフランスの1日の新規感染者数は52,010人を記録し、この日の世界の感染者数を見ても、アメリカ 61,117人、インド 45,158人に次いで、世界第3位
世界二位じゃん
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