2025年1月17日金曜日

カタコンブ・ド・パリ 600万人の遺骨が納められているパリの納骨堂

  


 前々から一度は、行ってみたいと思っていました。なにせ、パリの地下空間に600万人の遺骨が納められているというのですから、かなりシュールな空間です。

 四半世紀以上もパリにいて、先日、初めて、この空間に行ってきました。

 この納骨堂?は、そもそもパリの採石場であったために、地下空間ができた場所のようで、そこに、パリ市内の墓地を閉鎖した際に発掘された遺骨の移動場所として使用されたことが最初だったようで、展示されている説明書きには、「この移転は、夜間に行われたために、誰も恐れることはなかった・・」と書いてありました。

 夜間に遺骨を移動するって、余計に怖い気もするけど・・などと思いましたが、ともかくも、最終的には、600万人分の遺骨ですから、すごいことです。

 カタコンブというある種、特殊?な場所ゆえ、そんなに観光客もいないんだろうな・・と思いきや、これがけっこう行列ができていました。

 地上の入り口は、そんな、おどろおどろしいイメージは皆無です。しかし、入場後、深い深い地下には、螺旋階段が延々と続いていて、かなり地下に降りていきます(地下20m)。そして、ある地点まで下りると、今度は薄暗い細い地下道をかなり長い間、歩きます。




 正直、私は、これまで、はっきりと形を留めた人間の本物の骨というものを見たことがなく、祖父母、両親等の火葬後の骨は拾ったのですが、火葬しているために、あまりはっきり形を留めたものではなかったし、それさえも、骨がどんなだったか?悲しみの方が上回っていて、あまり記憶にないのです。

 長い長い地下道を歩きながら、「骨はどこだ?」、「一体、いつになったら、骨が出てくるんだろう?」と思っている自分がなんだかおかしな気もしました。



 どのくらい歩いたでしょうか?時間は計っていませんでしたが、あんまり歩きやすくはない暗い道を「骨」を探しながら歩くのですから、実際以上に長く感じたのかもしれません。あとから、調べたら、全長1.7㎞なのだそうです。



 しかし、ある地点まで達すると、これでもか!というくらいに「遺骨」が登場します。ようやく納骨が展示?されている地点に到達すると、そこからは、その遺骨の展示?に仰天します。



 大量に重ねられた手足の骨の間に頭蓋骨が様々なデザインで飾られており?なんだか、これらの遺骨を重ね合わせて、色々デザインして展示?して見せるというのは、どういう感覚?どういう発想なんだろうか?とか、夫の遺骨は、今ごろ、どうなっているのだろうか?(夫は、没後、家から一番近い墓地に埋葬(土葬)されています)とか、不思議な気持ちになりました。



 このカタコンブが一般公開されるようになったのは、1809年のことだそうで、1860年には、ナポレオン3世も息子を連れてここを訪れているそうです。

 現代の倫理観では、当然、あり得ないことであると思われるので、今後、新しくこのような場所ができることはないという意味では、貴重な場所であるとも言えます。




 地下道には、いくつも、侵入できない部分がまだまだ広がっており、作品?ごとに、その遺骨が採掘された場所や日付、そして、展示ポイントが出来上がった日付なども記載されているのですが、わりと最近の日付のものもあるので、まだ、この遺骨を積み重ねて展示する作業はまだまだ進行中なのかな?とも思います。




 キラキラなイメージのパリとは全く違う場所ですが、歴史の積み重ねを感じることのできる場所、パリのまた違う一面を見られる場所でもあります。

 周囲には、ヨーロッパの他の国から来たと思われる家族連れなど、けっこう多くの人々が、「この頭蓋骨、歯まで残っている!ブラボー!」などと、軽く冗談などを言いながら、見ているのも興味深い気がしました。

 美術館やショッピングに飽きたら、パリには、こんな場所もあります。


🌟カタコンブ・ド・パリ パリの納骨堂

Les Catacombes paris    1 Avenue du Colonel Henri Roi-Tanguy 75014 Paris

 月休 9:45~20:30 大人31€(オーディオガイド付)・5歳~17歳 12€(オーディオガイドなし)


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