2020年度の初めに導入された奨学生向けの1ユーロの食事が全学生向けに提供されるようにする社会法案が先週の国会で大多数の承認を受け、議決されました。(ただ、これは、完全に決定したわけではなく、この後、上院にて審議される予定です)
これまで、この1ユーロの食事はCROUS(奨学生)や不安定な家庭の学生に限定されてきましたが、2024年の Ifop(フランス世論研究所)の調査によると、学生の生活状況が悪化しており、36%の学生がお金の不足のために、食事を頻繁に、または時々、抜くと答えており、1ユーロの食事の一般化が必用であると提案されたものです。
この1ユーロの食事は、新型コロナウィルスのパンデミック直後に始まったもので、当時、まだ学生であった娘は、奨学金の援助を受けていたため、この1ユーロの食事にも時々、お世話になっていたようです。
もとより、このフランスの奨学生制度などについては、ほぼ私は、知識がなく、そもそも、娘には、過度な期待は絶対しないことを肝に銘じていて、「勉強が好きではなかったら、ムリして大学に行かなくてもいいし、勉強したいことがあるなら行けばいいくらいの感じで、でも、大学に行かないなら、ふらふらしていないで、すぐに働いてもらいます」と宣言していました。
そんな風にあんまり期待しない親に対して、娘は「大学くらい、行かないわけないでしょ!」と言い放ち、大学どころか、プレパーからグランゼコールへと進んだのでした。
我が家は母子家庭だったので、頼りにならない母はあてにせず、娘はさっさと奨学金援助の手続きをし、国から学費や生活費の一部や住宅補助などをしっかり受け取り、高等教育機関においては、私は、彼女の食費くらいしか、払う必要はありませんでした。フランスの国の制度としての奨学金は、借金ではないので、後に日本の学生の奨学金の借金を就職後、延々と返す話を聞いて仰天した次第です。
そんなわけなので、彼女はしっかり、決して裕福ではない家庭環境の中でも、しっかりと国の援助を受けて高等教育を受けることができたのです。
この奨学生のための1ユーロの食事のサービスが始まったのは、彼女がグランゼコール在学中のことです。最初の2年くらいは、ボルドーで生活していたのですが、その後、在学中とはいえ、ほぼほぼスタージュというかたちになっていたので、パリに戻って、我が家からスタージュ先に通ったりもしていました。
スタージュなので、学生でありながら、少額ではあるものの、いくらかの給与が出るようになっていたのですが、その時などは、我が家から通っていたので、うちからお弁当を持って行ってもよかったものの、当時の職場の近くにこのCROUS(クルス)の食堂があるとかで、メニューによっては、(彼女の最大のネックはフランス料理があまり好きではないこと)今日は良さそうなメニューだから1ユーロの食事にする・・などと、お世話になっていたこともありました。
なにせ、1ユーロ!、今どき、バゲット1本でさえも1ユーロでは買えないのですから、学生にとってはとてもありがたいものです。簡単なサラダなどの前菜に、パスタなどのメインに果物やヨーグルトなどの簡単なデザートがつくようです。
高等教育省によると、2023年~2024年にかけて、50万人以上の学生(フランスの学生約300万人中)がこの1ユーロの食事の恩恵を受けたそうで、これは、奨学金受給者の2人に1人相当し、2,380万食が提供されたことになります。
このサービスが提供されるのは、大学のキャンティーンや地域大学・学校活動センターなのだそうで、このような場所のない地方などの場合は、提供のしようがなく、この恩恵を受けられない場所もあるそうです。
この措置にかかる費用は、年間9,000万ユーロと見積もられているようですが、いずれにしても、あくまでも娘から聞く話によれば、フランスの若い学生たちは、ロクなものを食べていないし、料理もしない・・とか・・そして、想像以上にお金のない学生は多く、このような具体的な援助は、とってもありがたいものなのではないか?と思うのです。
学生向けの1ユーロの食事
<関連記事>
0 コメント:
コメントを投稿