友人がパリに行くという話をしたら、同僚のカナダ人から、パリは危ないから、メトロなどの公共交通機関に乗るときには、「バッグを前に抱えたりして、充分、気をつけなきゃダメだよ!」と言われたという話を聞いて、苦笑してしまい、「今は、そこまでだとは思わないけど・・、まあ、気を付けるに越したことはないけど・・」という話をしたばかりでした。
数日前にRER C線の中でブラジル人の若い女性が車内で襲われ、暴行を受けたというニュースがSNS上で出回っていました。
普段、私は、ほとんど郊外線に乗ることはないのですが、せいぜい、郊外線を利用するといえば、空港に行く時くらいのもの(しかもオルリー空港はメトロ14号線で行けるようになったので、シャルルドゴール空港に行くとき乗るRER B線)です。
しかし、ふだんは、ほとんどパリ市内から出ることはない私にとって、郊外線というものは、乗るたびに、パリをちょっと出ただけで、いきなり景色が変わる・・グッと開けていない感じの空き地の多い、のどかなエリア・・つまり田舎に突入することに驚かされます。
私は、東京で生まれ育ったので、東京都内だけでもずっと広いし、たとえ、都内を過ぎても、しばらくは、ビルが建て込んでいるエリアが続くので、すぐにのどかな景色に変わるパリ郊外というものに、驚かされるのです。
そんな途中の駅では、ほぼほぼ降りることはないのですが、人の量も警備の人数もパリとは全然、違います。
今回のRER C線での暴行事件は、この拡散された動画に出ている時間を見ると、夜の8時半頃でしたが、若いブラジル人の女性が暴行被害を受けているところに、近くに居合わせた乗客の女性が介入して、被害者を救い、それだけではなく、諦めて去っていく犯人を動画撮影していました。
たまたま近くに居合わせたのが女性だったのかもしれませんが、そこが男性ではなく女性だったということにもスゴイな・・私だったら、同じようにできただろうか?と思ってしまいます。
この勇敢な女性は、この被害者女性が被害届を出すのを手助けして、一緒に動画を警察にも渡していました。
被害者の女性は、唇を噛まれ、引っ掻かれ、殴られ、性的暴行を受けたと被害の様子を語っています。
そこに割って入っていくのは大変なことですが、結果的には、また別の女性がこの様子を見つけて悲鳴をあげたことで、この男は暴行を諦めて、動画をとっていることについて、脅迫しながら、逃げていきます。
なんと勇敢な女性なんだろうか!と感服しますが、この勇敢な女性は、「何もしないで見過ごすという選択肢はなかった」とインタビューに答えています。
なんと、この映像のおかげで、数日後、男は逮捕されました。犯人は、26歳でエジプト国籍を名乗っているということです。
現在は、この男、警察に拘束されていますが、他にも余罪があると見られており、この人物の他の被害者についても捜査が進められているそうです。
友人に、「パリは別に、そこまで危なくないよ・・」と言った言葉、撤回しなければなりません。必ずしも、こんな勇敢な女性がどこにでもいるわけではないですから・・。
RER C線の暴行被害 救世主は女性乗客
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