ときに、こんなことってあり得るの?と思うような犯罪というものが起こるものですが、まさに、今回の事件は、そんな事件のひとつだったのではないか?と思います。
事件は、サン・モルフ(ロワール・アトランティック県)で発生しており、ナント検察庁は、2名の容疑者を「拷問ならびに蛮行を伴う誘拐」の罪で起訴しました。
被告らは、40歳の女性を自宅のガレージに監禁し、劣悪な生活環境を強いるとともに、彼女の金銭と社会保障給付金を横領したとして告発されています。
また、さらに驚きなのは、この被告人たちが、60歳の介護士とそのパートナー(82歳)の二人という決して若くないというか男性にいたっては、はっきりいって、高齢者だということです。
ナント地方検事局によると、被害者は、「当初は、女性とアパートで暮らしていたが、その後、庭のテントに泊められ、男性が家に住み始めた瞬間から庭のガレージに閉じ込められていた」と証言しています。
事件現場となっていた家に住んでいた男性(容疑者の一人)は、「彼女がガレージにいるのは知っていたが、彼女とは全く話をしたことはない。今となっては、深刻な事態だったと理解している」とマスコミの取材に対して答えています。
「今となっては・・」と、言えるのかどうか・・なんといっても被害者が監禁されていたのは、5年間という決して短くない期間です。
彼の証言によれば、彼の同居人である女性と被害者の女性は、主従関係にあり、二人は喧嘩になり、それがエスカレートしてしまったとのこと。しかし、5年間の監禁とはやはり常軌を逸しています。
被害者の女性は、捜査官に対し、「普段はガレージで生活し、ガレージの中にあるデッキチェアで寝て、鍋とビニール袋で排泄し、食器用洗剤が混ざったお粥のようなものを食べていた」、「時折、庭に出ることができたものの、時には、一日中、雨や寒さの中にいることもあった」、「恒久的に暴力を受けていた」と証言しています。
時折、庭に出ることができた時以外は、ガレージのドアは外側からコンクリートブロックで塞がれていたといいます。
裁判所は被告人2人が被害者の金銭と社会補償金を横領した疑いについても言及しています。検察の捜査によれば、2022年以降、「被害者の生活の痕跡は残されていない」とされ、彼女の銀行口座は、彼女の生活が突然、混乱したことを示しており、最後の彼女の銀行取引履歴は、被告人への送金が最後になっている事実を確認しています。
彼女自身は特別な監視下にあったわけではなく、もはや携帯電話の契約も切れていたために、事務手続上、彼女は失踪した人物とみなされていました。
10月半ばの夜、監禁されていた女性は、監視の隙をついて、屋外の囲いから逃げ出し、隣家の家のドアをノックして助けを求めました。その時の彼女はほとんど裸の状態で、低体温症で非常に弱った状態だったそうです。
5年間、劣悪な環境で監禁されていた彼女は、虐待を受け続け、身体は漂白剤で洗われ、食事には、食器用洗剤や混入され、薬物を投与され、体重が50㎏も減少していたと言われています。
隣人に助けを求めた時の彼女は、錯乱状態だったそうです。
しかし、なぜ?こんなことが起き得るのか?監禁された当初は40歳であった女性も今では45歳。とはいえ、相手は、あまり若くない相手、体力的には、彼らよりも勝っていただろうに・・逃れるチャンスもあったのでは?とも思われますが、詳しい状況は不明です。
異常なことに、この加害者の方は、事態の深刻性をあまり認識していなかった様子というのですから、さらに異様な話です。
ガレージに5年間監禁されていた女性
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