昨年末から今年の初めにかけて、違法精製水をナチュラルミネラルウォーターとして販売している問題が大スキャンダルとして騒がれていたネスレグループのボトル入りのミネラルウォーター問題でしたが、その話題が騒ぎになっても、スーパーマーケットなどの一般市場では、これまでと何の変化も見られず、同じものが販売されていることに、「どうしてなんだろう?」、結局、精製法がナチュラルミネラルウォーター名乗ってはいけないだけ?という問題なんだろうか?と、ちょっと不思議に思っていました。
それは、ペリエ、ヴィッテル、エビアン、コントレックスなどのごくごく身近な誰でもいつでもどこでも手にすることができるようなポピュラーなものであっただけに、私にとっては、けっこうショッキングなニュースでもあったのです。
しかし、今回、新しい環境保護法案が審議され、PFAS(パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル)、永遠の汚染物質と呼ばれる汚染物質問題が浮上したことにより、再び、ネスレグループのミネラルウォーター問題に火がつきつつあります。
PFAS問題が今回、注目された際にPFASが含まれている製品の中にボトル入りミネラルウォーターも存在していることに、私は少々、ひっかかりも感じていたのです。
それは、フランスインフォとル・モンド紙が同日、明らかにしたもので、ちょっとおさまりかけていたネスレグループのミネラルウォーター問題をぶり返すかたちとなったのです。
前回の騒動のときには、この巨大な多国籍企業ネスレグループがこの水源の水の違法精製を何年も検査官を欺くために電気キャビネットにフィルターを隠すことまで行いながら隠蔽してきたのは、自社製品の健康上の安全性を保証するためだったと説明していました。
しかし、ANSES (国立食品・環境・労働衛生安全庁)は、報告書の中で、グラン・エスト地域(エパール、ヴィッテル、コントレックス)、オクシタニー地域(ペリエ)などの水源の汚染が広範囲に及んでおり、微量汚染物質の存在も銘記しており、ネスレグループが販売するナチュラルミネラルウォーターの健康品質の保証に対する信頼性が不十分であることを明かしています。
ANSES の専門家らは結論の中で、「糞便由来の汚染に関する複数の問題」、「顕著な微量汚染物質の慢性的な存在」、「PFASの存在」、「汚染物質の監視を可能にするパラメータの欠如」を考慮して、当局に対し、ネスレ工場に対する監視強化計画を実施するよう勧告しています。
明らかに、汚染された水源を天然ミネラルウォーターの製造に利用すべきではないということです。
さらに驚くことに、検査官が警告している内容の中には、「水を浄化するために導入された違法な処理が健康上のリスクを引き起こす可能性が高い」としている点であり、これには、目も当てられません。
水の安全性を確保しようとして違法な精製法を用いてまで精製していたものが、この違法な処理自体が健康上のリスクを引き起こす可能性が高いというのですから、ふつうなら、操業継続は不可能となるはずです。
一般的には、誰もが知っているようなネスレグループの製品のような名前がついている製品は、なんとなく安心できたり、信頼できたりする感覚があるのですが、この問題を見ていると、大企業ほど隠蔽しようとする・・発覚しても開き直る・・政府もぐるになって隠蔽に加担したり、口を閉じてしまったり、特別に容認したりする・・ことが多い感じで、あんまり信用できないものだな・・と思うのです。
ネスレグループ ミネラルウォーター
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