フードウォッチは、消費者が健康上のリスクがなく、信頼性が高く透明性のあるラベルが付いた高品質の食品を提供される権利を求めて運動を行っている消費者保護団体で、このフードウォッチは、2 年間で 20% 以上の食料インフレが進む中、平たく言えば、コスト削減のためにレシピを変更し、材料の質を落としたり、量を減らしたりしつつ、且つ値上げをしている食品メーカーの特定商品について、警告を発しています。
これをチープフレーション(チープとインフレーションの造語)とか、シュリンクフレーションと呼びます。
つまり、同じものを食べているつもりでも、中身は変わっている・・しかも、値上げされているのにもかかわらず・・という、ハッキリ言って、知らないうちに騙されているものを買わされているという現象です。
なんとなく、そのブランド名や商品名、パッケージなどは、今までどおりなので、同じものを買ってしまっているのに、実は中身は違うものになっている・・ということです。
メーカーにとっては、ピンポイントに名指しされてしまえば、大変な営業妨害でもありますが、いつのまにか、以前よりも低品質の材料や配合になっていることがわかるのは、消費者にとっては、ありがたいことでもあります。
フードウォッチは、フルーリー・ミションのすり身スティック、マイユ・マヨネーズ(ユニリーバ・グループのブランド)、ミルカ・チョコレート(モンデリーズ)、シェネルのリエット、アフターエイト チョコレート (ネスレ)、または Findus ブランドのフィッシュ (Nomad Foods)の商品について、製造元のメーカーに異議を申し立てたと公表しています。
たとえば、すり身スティックは、日本で言うところの「カニカマ」で、今やフランスではどこのスーパーマーケットにも「SURIMI」という名前で売っている商品なのですが、その「SURIMI」(フルーリー・ミション)は、魚肉の含有量が11%少なくなっており、そのうえ、価格は47%上昇しているそうで、マイーユのマヨネーズは、2023年11月から2024年1月の間に卵黄の割合が24.7%減少していると指摘しています。
原材料価格が上昇しているから値上げも致し方ないと思うところが、しっかり品質を落として原材料価格を抑えつつ、そのうえさらにかなり値上げしているというのは、消費者にとっては、二重の痛手を食っていることになっており、許しがたいことです。
それがマイーユのような、どちらかといえば、高級イメージのあるブランドにおいてまでとなると、なおさら衝撃は大きく、そんなことをしていたのか?とガッカリします。
フードウォッチは、食品業界と大量流通の巨大企業がインフレを利用し、危機を悪化させているということを指摘し、インフレで、より利益をあげていることを告発しているのです。
いいかげん、どんなに世間一般が困ろうと、必ず得をしている者がいることにウンザリし、健康志向などと言われながらも、実は、逆方向に動いている部分も確実にあるのだということも思い知らされます。
今回、名指しされているのは、大手メーカーのものばかり、食料品を買うときには、ある程度、安心の目安の一つにしていたこの大きな食品メーカーの信頼性は、落ちるばかり。つい、この間もネスレグループのミネラルウォーターが実はミネラルウォーターではなかったという大スキャンダルが発覚したばかりです。
チープフレーション シュリンクフレーション
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