ストライキは、フランスのお家芸のようなものとはいえ、ここ最近のあちこちでのストライキには、「どうなっちゃってるの?」と思わずにはいられません。
まあストライキがあることが通常運転のようなところはあるものの、年明けからのRATP(パリ交通公団)、SNCF(フランス国鉄)、学校、農民たちの抗議運動などなど、大げさながら、もう黙っているのは損とばかりにストライキのお知らせが後を絶たないのは、ちょっといつにないストライキラッシュのように感じています。
子供の冬休みのバカンス期間をめがけてSNCFが行った大規模なストライキのために、少なくとも15万人に被害が及んだという騒ぎのあと、ようやくまともにTGVが動き出すらしいという話を聞いたと思ったら、今度はエッフェル塔がストライキ。
まあ、エッフェル塔に関しては、一般市民というか、住民の日常生活に影響はあまりないものの、やはり、依然として子供の冬休みのバカンス期間中なことに代わりはなく、国内の観光客もいるわけです。
なんだかこのストライキが目白押しの中、なんだか、エッフェル塔はパリ(フランス)の象徴的存在なだけに、そのストライキもシンボリックな気がしてなりません。
観光客の数もパンデミック前の状態に戻るどころか、それを越す勢いだったはずなのに、エッフェル塔がなぜ?ストライキをしなければならない状況に陥っているかは、その運営に何やら、問題がありそうです。
エッフェル塔の職員CGT(労働組合)は、このストライキを「記念碑の維持管理上の問題と、市会計が認めていないにもかかわらず自治体が徴収する手数料の増額」、「エレベーターの近代化、通常、定期的に行われるはずの修繕工事や塗装工事ができていない」、「30年以上も放置されている床やエレベーターの改修は、絶対的に不可欠なことであることにもかかわらず、 これらすべてのことは市庁舎(パリ市)が5000万ユーロを受け取ることを可能にするために脇に置かれている」など、運営管理上の不均衡を訴えています。
必要不可欠の工事をないがしろにして、なぜか大金が注がれる記念碑の存在も疑問を抱くところでもあり、「それ、他のものを差し置いてまで必要?」というところなような気がするし、エッフェル塔は、パリ市と密接な関係であるとはいえ、別会社。にもかかわらず、その謎の手数料の増額。
つまり、お金が使われるべきところに使われずに、そこにそんなにお金を持っていかれる?という歪な運営状態。
インフレや何やら、色々と抑圧される部分が多いなか、このようなお金の流れが一層、注目され、表沙汰になっているのが今の状態なのかもしれません。
エッフェル塔にしても、交通機関にしても、料金は着々と値上げされて収益は下がってはいないはずなのに、それが正当に使われていないのは、ままあることで、こういうことを見るたびに、運営のための資金が不足しているとかいう前に、「おこづかい帳」つけてる?と何にお金を使っているか?無駄なことに使っていないか?それを見直せば、ずいぶんと削れるところがあることに気付くのではないか?と思うのです。
余談になりますが、私は、娘にお金の使い方を教えるために、必要なものは、全て親が買っているし、小学生は、自分一人で外出さえさせられなかったために、自分でお金を使うこともないので、おこづかいも必要ないだろうけど、お金の管理を教えるために、少額ですが、おこづかいを渡して、おこづかい帳をつけるように教えていました。
まあ、それが功を奏したか、生まれ持っての性分だったのか?娘は、ほんとうにお金にきっちり、シビアで、逆に本当に私の娘なのか?と思うほどに、しっかり倹約家になりました。無駄なことには、まずお金を使わず、その徹底ぶりには驚かされるばかりで、時には、私の大雑把な買い物に「ママ、調子にのりすぎ・・」などと、おしかりを受けるようになりました。
話は脱線しましたが、公的なお金となるとやたらと気前がよくなる公の機関、基本的にフランス人には倹約家が多い中、自分のお財布だと思って、お金は必要なところに使ってもらいたいものです。
ついでに、付け加えさせていただくならば、今、日本で騒いでいる、政治家の裏金、脱税問題が公になる中、国民には、確定申告で納税を呼び掛けるハタから見ていても、腹立たしい光景に、フランスだったら、こんな事実が明らかになったら、ストライキどころではすまずに、国中が燃える暴動になるだろうな・・と思っているのです。
エッフェル塔ストライキ
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