パリのリヨン駅は、パリの中では比較的、大きな駅で、どこかに行く時に通過する時に通るくらいなのですが、かなりの割合で、警察官はもちろんのこと、けっこう長いライフルのような銃を肩にかついだ憲兵隊なども警戒にあたっていて、こんなライフルかついで警戒する必要があるのかな?と思いつつ、威嚇の意味なのかな?、とか、その憲兵隊がけっこう若い青年だったりするのに、なんだか物々しい武装のわりに、あどけなさが残るような感じがアンバランスだな・・などと、少し遠巻きに眺めながら、余計なことばかり思っていました。
しかし、昨日の早朝にナイフとハンマーを持った男が旅行者を襲ったというニュースを見て、やっぱり、残念ながらこんな警戒は必要なのだと思いました。
事件は土曜日の朝7時半頃、地下に位置するパリ・リヨン駅のRER A、Dや南部を走るR線などの郊外電車が乗り入れているホール3で起こりました。
襲撃犯は、まずリュックサックに火をつけ、その後にナイフとハンマーを取り出して通行人を襲い、なんとか止めに入った人々をも襲いかかり、そのうち男性1名は腹部を刺され重傷を負っています。
しかし、その後、襲撃犯はすぐにSNCF(フランス国鉄)鉄道警察により逮捕されました。この襲撃犯は、マリ国籍の32歳の男性で、イタリアの滞在許可証と運転免許証を所持していました。つまり、不法入国ではないということですが、精神障害を患っており、彼が実際に治療を受けていることを証明する一定数の薬が彼の体から発見されています。
襲撃時には、よくあるこの手の襲撃犯のような叫び声をあげてはいなかったものの、警察は彼のTikTokのアカウントを発見し、2023 年 12 月 2 日付けのビデオの中で「安らかに眠れ、3か月後、アッラーが私を楽園に迎え入れてくださいますように!」などと語っており、 他のビデオでは、フランスのマリへの軍事介入に言及し、フランスに対する憤りを顕著に表明していることを突き止めています。
現段階ではテロリストとしての認定はされてはいませんが、「テロの足跡が決定的に排除されるかどうかをしっかり見極める!」とパリ警察署長は発表しています。
しかし、この事件の発生時の駅は、パニック状態であったようで、どの程度の規模の犯罪なのかは、知る由もなく、「すぐに駅から出てください!」と駅を脱出するように促されたとのことで、異様な光景であったと人々は証言しています。
この恐ろしい事件が報道されている映像は「あ~あれ!あそこだ!」と見たことのある場所が黄色いテープが貼り巡らされている様子であることは、危険が日常のすぐそこにあることを再確認させられる気持ちでした。
夜、遅くならないようにとか、ある程度の危険を回避することはできても、朝早く(といっても午前7時半頃)の駅などでは、避けようもなく、事件に遭遇してしまったら、本当に運が悪いとしかいいようがありません。いや、でもそういえば、以前にも似たような事件がパリ北駅でも起こって、それもたしか、早朝だった気もするので、早朝の大きな駅・・というのも、落とし穴なのかもしれません。
反面、こんな時に助けに入ってくれる人がいるということは、それはそれですごいことだと思います。
しかし、今回のこの襲撃は「交通機関の安全を強化する緊急の必要性を証明している」とも言われており、オリンピック・パラリンピックまで半年を切った今、何かにつけて、「これで1,500万人の来場者を迎えられるのか?」と不安視する声も上がっています。
パリ・リヨン駅 襲撃事件
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