先月からのフランスの農民たちの大規模な抗議運動は、一時ほどの騒ぎではなくなったとはいえ、未だに続いています。
農民たちが高速道路を数週間にわたりブロックし、一時は、食料品等の配送が滞り、スーパーマーケットに空の棚ができるような事態にまで発展。農民たちがテレビのニュース討論番組などに登場して、農家の厳しい状況、惨状、数々の不均衡で不平等な流通や特にフランス国内農家に課せられている厳しい規制に比べて、輸入品に対する規制があまく、ゆるゆるで、汚い覆面を覆って、彼らの農業製品の占める場所を侵食している状況などを語っていました。
これまで、そんな話は、全く知らなかったので、私もそんな現状を聞きながら、そんなことになっていたのか?それは酷い・・と感じ、多くの国民も彼らの激しい抗議運動には、どこか寛容な目で、「なにかがおかしい・・」と彼らに共感を寄せ、彼らの行動を容認するような目で見ていたような気がします。
政府は農民たちの悲痛な叫びに耳を傾け、彼らの要求にこたえる回答をいくつか提案し、彼らの抗議運動は、少し縮小したものの、到底、それが彼らにとって充分に納得いくものではなく、未だ、彼らの怒りの炎はくすぶり続け、あちこちで、抗議運動は続いています。
そんなことがあってか、私も最近は、買い物に行くと、心の中に、「やっぱり、フランスに住んでいる限り、フランスの農業製品を買うべきだな・・」などという気持ちが芽生えているせいか、やたらと、トリコロールのマークがついたものが目に付くようになり、実際にこのマークのついた製品が増えたようにもなり、野菜や果物でも産地をよく見るようになり、消費者にもそういう人が増えた気がします。
しかし、この農民たちに指摘された一部である輸入品への規制に関して、政府が食料品の原産地などに関するチェックが開始され、・政府は約1,000の商業施設に調査に入ったところ、このトリコロールのついた「Origine France オリジン・フランス」のラベルが必ずしも確かではなかった・・・このうち372の施設がオリジン・フランスの基準を満たしていなかったことを公表しました。政府はこれに対する、取り締まり、罰則の強化を近々、発表するとしています。
フランス産のものだと思って購入していたものが、実は、そうではなかった・・騙されていた可能性があるということです。
だいたい、「オリジン・フランスの基準」というところで、「???」となるのですが、これは、必ずしもオリジン・フランスはフランス産ではない場合もあるということで、なんだか、都合のよい抜け道に使われそうな言葉でもあります。
食料品には、原産地を記載することが義務付けられていますが、それさえも偽られている場合は、もうどうにもなりませんが、実は巧に原産地は、わかりにくいところに記載されていて、パッケージングだけフランスで行っているためにフランス産を名乗っているようなケースもあるのだということなのです。
正直、私は、そこまで注意して、買い物をしていなかったため、トリコロールのマークがついていれば、単純にフランスのものだと思い込んでいたし、だいたい、原産地でさえも、そこまで注意してはいませんでした。
ただ、フランスで売っている「WAGYU」を見て、「おっ!和牛だ!」と勇んで買ったことがあり、「これ?ほんとに和牛?日本で食べる和牛と全然、違うんですけど・・」と思ったことはありました。オリジン・フランスとは関係ない話ですが・・。
まったく、ごくごく身近でささやかな買い物をする中には、たくさんの詐欺まがいのものがあることには、「いちいち、そんなに注意して表示を見なければならないのか?」と不信感が募るのでした。
オリジンフランス フランス産
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