「日本で驚くべき犯罪件数の増加!」というフランスの記事をみつけて、正直、半分は「おまえが言うな・・」という気持ちもあったのですが、反面では、ちょっとショックでもありました。
なぜなら、これまで日本はとにかく「治安がよい」ことで有名な国であって、このような犯罪件数の増加を海外から取り上げられるなど、およそ、「らしくない」ことであったからです。
「2023 年に日本で発生した犯罪および犯罪は 70 万件を超え、前年比 17% 増加」、これを精査すると状況の悪化がさらに明確に現れ、窃盗20%増、殺人と性的暴行は30%増、誘拐と人身売買40%増となっています。
「この事実には、日本国民自身も、日本が安全な国であると考えている人の割合が10~20年前には80~90%であったものが、64%にまで減少していることからもわかります」とあります。
また、「今年に入ってから1,500回以上の地震で壊滅的な被害を受けた能登半島で被害を受けた家屋への略奪が相次いだことにも垣間見える」としています。
そして、この記事では、この日本の治安の悪化の原因の一つには、困難な経済状況にあると説明しています。「物価の高騰にもかかわらず賃金が上がっていない」、この物価と賃金の差による貧困化が、強盗や万引きの増加につながっており、この困難な経済状況は、カップルや家族内の関係にも緊張をもたらします。 これは家庭内暴力や児童虐待の増加によって証明されているとしています。
多くの不安定な労働者が職を失っていますが、日本では非正規の雇用契約では、解雇後に失業手当を受け取る権利がありません。 警察によると、職を失った不安定な労働者のうち一定数が、「闇バイト」に走っているとも言っています。
専門家によると、長年にわたる社会的距離の維持が精神的健康に悪影響を及ぼしており、死を決意するほど落ち込んでいるのに自殺できない日本人は数え切れないほどいます。 そして、一部の人は「無差別」または「無差別」殺人を行うことを選択します。
「つまり、彼らは知らない人を攻撃します。建物に放火したり、路上や電車内で人を刺したり、手製の爆弾を作って犯罪を犯したりします。その結果、それらの犯罪者は確実に死にます。日本では大量殺人の加害者は死刑を宣告されるのです。」と記事を括っています。
私自身は、もう長い間、日本には住んでおらず、せいぜい年に1~2回くらいしか日本に行っていないので、日本の治安の悪さを実感することはありませんが、(むしろ、フランスの治安と比べてみてしまうので、なんて平和なんだとさえ思う・・)この記事の「なぜ?」という原因の部分を見ると、なるほどね・・と思うくらいです。
たしかに、数年前までは日本での犯罪件数は減少し続けていたということを考えれば、増加に転じただけでも、大きな転換期でもあり得るのかもしれません。
しかし、フランスでは、おそらく桁違いの犯罪が発生していて、犯罪もよりダイナミックで暴力的、また、簡単な犯罪はカウントさえ、されていないことは間違いありません。
日本で「高齢の男性がおにぎり1個の窃盗で逮捕された」などという話を目にしたことがありますが、まあ窃盗といえば、窃盗で、犯罪ではあるのでしょうが、おそらく、これはフランスだったら、その場でお金を払うことを促されて、帰されるくらいで、よほどの常習者でもない限り、記録にも残っていないと思います。
実際に、スーパーマーケットで万引きをして捕まっていたお客さんが、そのままレジに戻されて、お金を払うように促され、そのまま帰されているのを目撃したことがあります。
スリやひったくりに至っては、あまりに危険な機会が多すぎて、被害に遭っても、注意が足りなかった・・と思わず被害者側が反省してしまいそうになるくらいです。
破壊行為、暴動のたびに起こる放火なども、これもあまりに多すぎて、これらの犯罪を全て警察が追跡しきれているとも思えません。
なので、フランスが日本の治安悪化を語るのは、お門違いというか、おまえが言うな!といった感じもするのですが、なんとなく、日本とフランスでは犯罪傾向が少々、異なるような気もしていて、日本の犯罪にはどこか陰湿さを感じるところもあります。
そもそも、今、日本で大問題になっている政治家の不正な金銭問題。日本のトップのこの金銭問題の方が日本では、治安の悪化・・よりも重大問題、横領、脱税、政治資金規正法違反も立派な犯罪。
なんなら、いっそのことフランスでもこっちの問題の方を取り上げてくれないかな?と思ってしまいます。
日本の治安悪化
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