車に乗っていて、強盗に襲われるという話は、パリでは珍しい話ではなく、場所にもよると思いますが、私の知人もパリの16区で車を走行中、信号で車を停車させたときに、いきなり強盗がドアを開けて押し入ってきて、助手席においてあったバッグを奪われたという話を聞いたことがあります。
その話を聞いて、「バッグ等の荷物は座席の上などの見える場所には絶対におかない!」、「車のドアは必ずロックすること!」という教訓を心に刻みました。
だいたい、車に乗っていたら、信号では車を止めなければならないし、ましてや、物を奪われる以前に、強盗が車に押し入ってくること自体が恐ろしいことで、少なくともドアをロックすることや獲物をちらつかせないといったスキを見せないことで少しでも恐ろしい事態を防げるかもしれません。
ところが、最近、聞くのは、空港を出る時点から、車がつけられて、渋滞中などで車を減速、あるいは停車せざるを得なくなった時に、どこからともなくバイクが近付いてきて、車の窓ガラスを割って、強盗が押し入ってきて、荷物を強奪されるという恐ろしい話が浮上し始めました。
先日、モンゴルのオリンピック代表団の団長とその夫人がパリCDGに到着し、空港からパリのホテルに向かう途中、スタット・ド・フランス近くのサン・ドニのランディトンネルのあたりで強盗に襲われています。
車がトンネル付近に差し掛かったとき、2人乗りをしたオートバイが車に近づいてきて、強盗の一人は車の窓ガラスを割り、もう一人が宝石等の入ったバッグを強奪していったとのこと。
この強盗自体も驚かされる事件でもありますが、この被害者であるモンゴル人のオリンピック代表団の団長の被害申告の内容もまた、二重にびっくりさせられるものでした。
なんと、申告された内容は、単価16万5千ユーロのゴールドとダイヤモンドのイヤリングを含む57万ユーロ(約9,200万円)ということで、彼らは被害者ではあるものの、「オリンピック関係者ってどんだけ持ってるの?」という気がしてしまいました。
Les racailles attaquent les touristes dans les taxis.
— Bruno Attal (@Bruno_Attal_) May 24, 2023
On leur demande de partir en province pendant les #JO2024 ?
pic.twitter.com/AILdsPVIUA
この強盗は後日、サンドニで逮捕されたようですが、22歳~25歳の3人組だったようです。この犯行には、CDG空港を出るときから、仲間がターゲットを見つけて、ターゲットについての車などの情報メッセージを伝え、追跡チームがその後、車を追って襲うというチームの作業になっているようで、この3人組は、その前にも同様の手口で、サウジアラビアからの観光客を襲い、5万ユーロを強奪していたそうです。
しかし、この強盗の手口は彼らに限ったものではなく、この手の強盗は頻繁に報告されているそうで、空港とパリ市内を結ぶ高速道路A1では、金品を持っていそうな観光客(アジア人や中東人が特にターゲットになっている)に対する襲撃事件が頻繁に起きているそうです。
強盗の手順は常に同じで、車が速度を落としている間に、バイクが近付いてきて、そのうちの一人がタクシーの隣に立ち、客室内の手の届く範囲にある物をつかむ側窓の 1 つを割り、強奪品を奪うとすぐにバイクで逃げ去るというものらしいです。
空港からパリ市内に向かう道は、渋滞することも多く、一度狙われたら、窓ガラスを割られて押し入られるのでは、避けられない感じもします。
パリにいらっしゃる方は、くれぐれも目立たないように、できるだけ簡素な服装で、空港に着いた瞬間から、目をつけられないよう、お気をつけください。
こんな警告をしなければならないなんて、まったく悲しいことです。
空港からの車を襲う強盗団
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