昔、フランス人の夫が日本に住んでいた頃、一晩にして、ある場所が一変していたことにすごく驚いていたことがありました。
それが、公園だった場所が駐車場になったのか、駐車場だった場所が公園になったのか?どっちがどっちだったか?今やもうハッキリと覚えていないのですが、それを聞いた私は、「まあ、日本だったら、あり得ないことはないかもしれないな・・」と思って、その話を聞いた覚えがあります。
それとは、真逆なフランスは、「工事中と場所を閉鎖しておいて、一体、いつ工事を始めるのか?」「工事が始まったら、始まったで、一体、いつになったら終わるのか?」、フランスには工期というものはないのだろうか?と思うほど、一度、工事が始まろうものなら、いつまでも終わらないイメージがあります。
例を挙げれば、キリがありませんが、現在、パリは、来年のオリンピックに向けて、どこもかしこも工事中で、特にメトロなどの工事をいつまでもやっているのは、大変な迷惑で、私が最もよく使う14番線は、現在、終日、全線閉鎖中、夏休みのバカンスの期間に1ヶ月近くも閉めていたにもかかわらず、今回のトゥーサンのバカンスもまた閉鎖。
1ヶ月も閉鎖していたのだから、それで終わるものだとばかり思っていた私が甘かったのです。
このバカンス期間の後もまた、18、19、26日が終日全線閉鎖になるそうです。特にオルリー空港まで繋がるということで、オリンピックにまでは、なんとしても間に合わせなければということなのでしょうが、なにも、全線閉鎖しなくても・・と思うのですが、そうはしないのです。
その他に夜間工事などもやっているらしいのですが、工事の完了はずるずると先延ばしになっていき、本当にオリンピックまでに出来上がるのか?と疑問視する声も上がっています。
だいたい、日本人の私からすれば、フランス人には、「工期に間に合わさなければ・・」、とか、「工期が差し迫っているから急ぐ」とかいう感覚が薄いような気がしてしまいます。
まあ、日常からして、時間の感覚はルーズだし、それが長期間の工事などになれば、累積して、時間がずれていくのは当然のことかもしれません。
以前、サマリテーヌ(パリ中心部にある大規模なデパート・商業施設)が改修工事に入ったとき、なんと、パリの一等地であるあの巨大な施設を16年間も閉めており、これは、私が生きているうちに再開されることはないのではないか?と思ったこともありました。
あの一等地にある商業施設を使用できない状態のまま、工事に16年間もかけるというのは、大変な損失ではないか?と思いますが、フランスとはそういう国なのです。
また、家の近所の陸橋のエスカレーターの工事は、通行止めになり、何年も放置されたまま、もうこのまま、やらずに終わるのだろうな・・とあきらめていたら、数年後にようやく工事が終わって、奇跡のような気で、逆にびっくりしたこともありました。
現在の14号線の工事にしても、工事期間中は、その区間の代替バスなどが用意されてはいますが、通常3分に1本くらいのわりあいで通っているメトロの代わりになりきれるはずもなく、バスに乗れば、大混雑。
今日は出先で4号線に乗って帰ろうとしたところ、メトロが止まってしまい、早々にバスで帰ることにしたのですが、バスが混んでいるのはもちろんのこと、道路も大渋滞で、大変な目に遭いました。
こんな状態で、思うように交通機関が使えないのなら、Navigo(パリの定期券のようなもの)の料金を割引してもらいたいと思うくらいです。
こんな時ばかりは、日本が工期をきっちり守り、お客様に迷惑をかけないように被害は最小限にとどめようとする姿勢は、やっぱりすごいなと思うのです。
パリのメトロの工事
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