2023年11月1日水曜日

駅で自爆予告をした女性に警察官が発砲 しかも8発!

  


 最初に私がこのニュースを目にしたのは、X(旧Twitter)による投稿でした。詳細は書かれておらず、物々しい武装をしたかなりの人数の警察隊が駅に突入していく映像でした。その投稿には、詳しい場所は書かれていませんでしたが、映像に映っている周囲に映る店舗や街の感じから、なんとなく、見たことのあるような場所のような、「はて?どこだったかな?」と思いました。

 イスラエル問題が勃発して以来、爆破予告やデモ、テロまがいのことがやまないフランスで、「また、その類の事件なのか?」と思うと同時に、この物々しい様子にも、映像だけだと、「またか・・」という気がして、驚愕というほどには、驚かなくなっている自分にも、ちょっとゲンナリしました。

 実際は、RER C線のBiblioteque Francois Mitterrand(ビブリオテック・フランソワ・ミッテラン)駅でのできごとで、ベールを被った38歳の女性が、電車の車内で自爆予告をしたことから、周囲の乗客数人が警察に通報し、警察隊の突入に繋がったと伝えられています。

 この女性は、駅で降車後も、周囲に向けて「アッラーアクバル、すべてを爆破する!」と叫んでおり、かけつけた警察官の「地面に座り、手をあげて武器を持っていないことを示しなさい!」という呼びかけに応じず、女性が警察官のいる方向に歩き進んだことから、1人目の警察官が発砲。その後、合計8回発砲しており、女性は倒れて、病院に運ばれ、危篤状態であると言われています。


 結果的には、この女性は武器や爆発物のようなものは持っていなかったようですが、その時点では、危険物所持の確認もできず、また、彼女一人の犯行であるかどうかも確認はできず、警戒せざるを得なかった模様です。午前9時すぎに起こったこの事件のために、RER C線は、ほぼ1日中不通。近隣のT3(トラム)などにも影響が及びました。

 この爆破・自爆予告のテロ行為が問題であることはもちろんのこと、またもや警察官の発砲事件、一体、8発も発砲する必要があったのだろうか?という疑問は残ります。

 その後の検察の発表によると、この女性は、すでに2021年7月に逮捕歴があったものの、精神障害が認められたために、施設に収容されたことのあった人物であったことがわかっています。

 なんだか、深刻な犯罪が起こった時によく聞くシナリオ、(過去に逮捕歴があり、その後に精神障害が認められ、施設に収容されていたことがある・・しかし、どういうわけか、その人物は街中にいて、再びさらに深刻な犯行を犯してしまう)だなという気がしてしまいます。

 そして、そのシナリオの続きまで同じで、この事件に対する捜査は、「公権力の保持者に対する脅迫、および脅迫行為」と「警察官による発砲事件」の両面で行われます。

 現在、フランスはテロに対する特別警戒体制アラートが敷かれており、通常よりも警戒状態が強く、反応も過激にならざるを得ないのは、わからないでもありませんが、果たして、女性一人に8発を発砲する必要があったのかどうか?も疑問視されてしかるべきであると思います。

 警察側も前回、フランス中に巻き起こった大暴動の引き金となったのが、警察官の発砲事件であったことを忘れてはいないであろうに、治安が悪くなったといえば、身も蓋もありませんが、それにしても警察官の発砲が増えたことには恐ろしく感じます。

 この駅にしても、私にとっても知らない駅でもなく、しかも、平日の通勤時間帯、いつどこで、どんなことに遭遇するか? もう、こんなことは、気をつけようがありません。


38歳女性の自爆テロで警察官発砲事件


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