2023年10月15日日曜日

最大級 テロ対策警戒警報発令のフランス プラン・ヴィジピラット ルーブル・ヴェルサイユから避難退去

  


 イスラエルでの大惨事に続いて、フランス国内、パ・ド・カレ(フランス北部オードフランス)のアラスの高校が襲われるという凶悪テロ発生を受け、ボルヌ首相は、プラン・ヴィジピラット(Le plan Vigipirate)に基づき、フランス国内のテロ警戒レベルを緊急に最大級に引き上げることを発表しました。

 ヴィジピラットとは、フランスのテロ対策の一環であり、テロ行為の脅威を可能な限り早期に防止または発見するために、社会全体に警戒と安全を目的とし、フランスの国民、領土、利益をテロの脅威から適切に保護することを掲げています。

 具体的には、フランス国内および海外のフランス国民および国益に対するテロの脅威を評価し、リスクレベルに応じたセキュリティシステムを決定するとしています。

 今回の場合は、その警戒態勢がMaxと判断されたようです。

 諜報機関はテロリストの脅威を評価し、その分析により国防国家安全保障総事務局 (SGDSN) は一般的な ヴィジピラット(Vigipirate )のセキュリティ態勢を確立するというもので、テロ攻撃の主な潜在的ターゲットの脆弱性を探求し、それらを軽減することを目的としています。

 日本に比べると、格段にテロに遭遇する機会が多いと思われるフランスでは、このようなシステムがあるのは、当然といえば当然なのですが、いざ、このような警戒警報のようなもの・しかもそれがMax!などと発令されれば、心穏やかではありません。

 パ・ド・カレの高校で起こったテロ事件の発生は、現在の世界情勢を鑑みれば、このような警戒レベルになるのは、わかるのだけれど、いざ警戒警報ともなれば、さすがに緊張感も上がり、外出はしないようにしていました。

 ここ数日は、テレビをつけても、ずっとイスラエルの悲惨な映像が流れていて、だんだん気が滅入ってくるので、テレビはあまりつけないようにしているのですが、それでも、昨日は、一日中、遠くから聞こえてくるパトカーだか救急車だかのサイレンの音が途切れることはなく、家にいても、なかなかなストレスでした。

 私が一日外出しなかったその日、外では何が起こっていたかというと、あちこちで爆弾騒ぎがあり、お昼頃には、ルーブル美術館で入場者に避難命令が出て、1万5千人が退去、その後、ヴェルサイユ宮殿、パリ・リヨン駅などでも次々と避難命令が出たようで、それは、そのたびに警察や消防隊などが駆け付け、行き来していれば、一日中、サイレンが鳴りやまなかったのも当然だな・・と思ったのです。


 これらの避難勧告は、moncommissariat.frというサイト上の匿名メッセージで届いた爆破予告によるものであると後になって、発表されています。

 ルーブル美術館には、1万5千人もの人が入っているのか?などと、そこじゃないでしょ?というところに、ビックリしたりしていたものの、サイレンのなり続けるルーブル美術館内のパニック状態は、想像するだけでも恐ろしいことです。

 こう世界情勢が不穏な雰囲気になってくると、やっぱり、日本の方が安全なのかも?などと、不安にもなるのでした。

 あまり聞きなれなかったプラン・ヴィジピラット・・などというものを調べてみたら、つまりはテロ対策の計画で、その中には、防御だけでなく、いざという時の攻撃レベル(防御のための攻撃)などという項目もあって、ますます、戦々恐々とした気持ちになります。

 しかし、結果的には、ルーブル美術館もヴェルサイユ宮殿も何ごともなかったようではありますが、一日中閉館となり、追い出された観光客には、本当にお気の毒なことです。

 パンデミックがおさまりつつあって?年金改革反対デモや警察官発砲事件の暴動などもようやく過ぎ去って、と思ったら、またテロ騒ぎで、動乱の日々は続きそうです。

 明日は、どうなるんだろう?と思っていたら、夜中にヘリコプターまで飛んでいました。

 フランスは、この問題に関してのデモを禁止していますが、そんなの簡単に言うこと聞く国民ではありません。イスラエル問題は、他人事ではないフランスです。


テロ警戒警報最大レベル


<関連記事>

「エッフェル塔への相次ぐ爆破予告」

「フランスでも報道される日本の「テロリズム SUSHI」寿司テロ」

「早朝のパリ北駅での6人刺傷事件 容疑者は、OQTF(フランス領土退去命令)の移民」

「パリ10区クルド文化センター襲撃テロに抗議するデモの暴徒化 車が燃えるクリスマスイブ」

「ロシアとオウム真理教 独裁者の暴走」



0 コメント: