警察官の発砲・未成年射殺事件を発端にした恐ろしい規模の暴動で、フランスは大変な損害を被りました。
一時は、これは一体、いつまで続くのだろうか?と思うほど、暴動の規模はSNSによって、あっという間に全国規模に拡大し、また、特に若年層を中心として、日常の怒りも加えてぶちまける場となり、また、破壊行為、盗難の産物などをライブでSNSにアップして、競い合うようなゲームのような状態にまでエスカレートし、ますます暴動の規模は拡大し、酷いものだとコマーシャルセンターをまるまる焼き払ったり、市役所や市長、その家族が標的にされた地域もありました。
私もパリ郊外にあるコマーシャルセンターで買い物中に暴徒たちが押し入ってきたとかで、店内に缶詰めになって、恐怖の時間を過ごした後は、近隣のメトロの駅が閉鎖され、次の駅まで延々、歩くハメになったこともありました。
そんな暴動に対して、政府はSNSを含めた警戒を強化し、しばらくして暴動は治まりましたが、その暴動のために破壊されたものの被害は、相当な金額に達しており、それぞれの店舗など、保険がどの程度カバーするものなのか?また、保険でカバーしきれない部分は一体誰が支払うのだろうか?と思っていました。
暴動が起こったのは、6月末から7月にかけてのことで、あれから約4ヶ月後の今になって、暴動のために破壊されたものへの修復と再建への支援の一部として、政府は1億ユーロを放出することを発表しました。
到底、1億ユーロでカバーできるものとは思えませんが(保険会社の見積もりによれば、被害総額2億ユーロ程度)、政府は、この1億ユーロの放出とともに、自治体警察の権限の強化や暴動を起こした未成年の親にも損害賠償の責任を負わせることを併せて発表。
今回の暴動は、未成年が多かったことから、当然、支払い能力はなく、また、子供の起こした事件に関して、親が責任をとるという当然のことでもあります。
ボルヌ首相は、この問題に対して、毅然として、「同居・別居にかかわらず、暴動に参加して、破壊行動を非行少年の両親は、この損害に対して経済的責任を負わなければならない」と語っています。
そもそも、多くの破壊行為は、真夜中に起こっていたものが大部分を占め、その時間帯に未成年のこどもがでかけていくのを放置していること自体、私には、ちょっと理解できないことで、完全に親の監督責任放棄行動です。
本来は親が責任をもって、子供を見守らなければいけない親の怠慢。保護者に経済的責任を科すことで、親の子供への教育・監督責任の姿勢を問いただすことにもなり得ます。
今回の暴動の破壊行動は、かなり目に余るものでもありましたが、未成年なら許されてしまうという考えが無きにしも非ずというところがあるような気がします。
この暴動とは少々、種類が異なりますが、パリの街中に徘徊しているジプシーなどのスリ集団などは、親から命じられて、大した罪にも問われずに、調書をとられるだけですぐに自由になれる子供たちに、犯行を行わせ、やめればいいのに、また、同じ場所で同じことを繰り返し、行っていたりします。
「未成年だから、許される」というのは、やはりあり得ないことで、少なくとも子供が未成年であるということは、その責任は親が負わなければならないという当然のことをちゃんと遂行してほしいものです。
暴動の損害賠償
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