IMF(国際通貨基金)によると、2023年、ドイツ経済が、1968年以来、初めて日本を上回り、アメリカ、中国に次ぐ、世界第3位になると言われています。
「日本は地球上で最も強力な経済大国の世界的な序列から落ちつつある・・」と評されているのです。
日本は、2010年にアメリカに次ぐ2位の座を中国に奪われて以来、今年、とうとう世界の表彰台に上がることができなくなりました。
国際通貨基金(IMF)の予測によると、今年のドイツの国内総生産(GDP)は4兆4300億ドルに増加すると予想されているのに対し、日本は4兆2300億ドルとされています。
フランスとしては、同じヨーロッパの国であるドイツの成長を讃える感じで書いており、ドイツは日本に比べて人口が32%も少ないにもかかわらず、注目に値するパフォーマンスであると・・。
ドイツの一人当たりのGDPは、現在、日本よりも大幅に高く、2023年には、日本の3万3,950ドルに対して、5万2,824ドルに上昇すると予想されています。
もし、これらの予測が正しいと証明されれば、世界経済秩序における変化は歴史的なものになると言われており、そして、それは、かなりの確率で現実のものとして、明白になるものと思われます。
日本は1968年にドイツを追い抜き、世界第2位の経済大国になり、1990年には、GDPでドイツ、フランス、イギリスを合わせたものよりも多くなりました。当時は、2,000年までには、日本がアメリカを追い越して世界最大の経済大国になると予測した経済学者さえあらわれたほどでしたが、実際は、そうはならずに、逆にゆっくりと長い衰退の道を辿ることになってしまったのです。
国際通貨基金(IMF)はGDPをドルで換算するため、現在の円安が響いており、アメリカやユーロ圏などの通貨上昇国にとって有利になるとはいえ、それに対応する策を日本がとってこなかったということでもあります。
実際に、アメリカやヨーロッパの中央銀行は、インフレに対抗するために、過去18か月間で主要金利を大幅に引き上げてきたのです。それに対して、日本経済は数十年にわたるデフレを特徴とし、欧米諸国よりも低い金利で国内回復政策を続けてきた結果、日本の通貨は下落し続けているのです。これも、あくまでも内向きな国と言われる所以でもあります。
これは、金利や円安だけによるものではなく、経済成長が鈍化している表れでもあり、日本経済のゆっくりとした長期にわたる衰退を反映していると見られています。
IMFの見通しについて質問された日本の西村経済産業大臣は「日本の潜在成長力は遅れをとっており、停滞したままである」と認めたうえで、「我々は、過去30年で失われた地盤を取り戻したいと考えている」と答えているそうですが、「どうやって?」と尋ねたくなります。
「内需の低迷、富裕国の中でも最大規模の高齢化、そしてすでに始まっている憂慮すべき人口減少に悩まされている日本は、依然として繁栄を続けているものの、20年以上にわたってその活力を失っている。 政府は何年も内需を回復させようと努力してきたが、無駄だった。 岸田文雄首相の将来計画では、エネルギー転換への補助金、賃金上昇の促進、減税の付与によって成長を回復することが計画されている」などと書かれていますが、その見解には、希望も期待も見えません。
そのうえ、IMFの予測によれば、今後、両国間(ドイツと日本)の格差は拡大する可能性があり、 2025 年には、ドイツの GDP は日本より 10% も高くなる(日本の 4 兆 5,250 億ドルに対し、4 兆 9,600 億ドル)と言われています。
IMFのGDPランキングという世界的にも注目されるわかりやすい数字に表れ始めたことで、日本の衰退ぶりがさらに顕著に世界に認識されていく様子は、悲しいことです。
GDP 日本の衰退
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