2023年11月13日月曜日

40万ユーロを拾った人・・2年経って、半分を受け取れる!

  


 映画や小説だとしても、少々、嘘くさいような話が時には、存在するようです。

 今から2年以上も前になる2021年の5月にヴァール県(プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏)のラ・ロンドのヴァルクロスの険しい山道を2組のカップルが散歩していたところ、連れていた犬が地面を掘りだし、地面の中から古い金属製の箱を見つけました。

 なんと、その中には、黒いビニール袋に入った200ユーロ紙幣500枚の束が4束、合計40万ユーロ(約6,450万円)が入っていました。ただでさえ、日常ではほとんどお目にかかることのない200ユーロ札です。私など、1枚見ただけでもビックリしますが、それが札束で見つかったわけですから、その驚きたるや計り知れないもので、見慣れないだけに、ホンモノのお札かどうか?さえも、きっと、わからなかったかもしれません。

 フランスで、お金、というかお財布などを落としたりしても、まず、見つかることはないし、(落す前に油断していると盗られるし・・)、それが届けられたりしたという話も聞いたことがありません。

 しかし、彼らは正直者で警察に届け出ていたようです。あまりの金額に、逆に怖くて、到底、このように隠しているお金は、まともなお金とは考え難いし、ちょっと自分のモノにしてしまうのも、かえって躊躇われるものなのかもしれません。

 警察に届けられたお金については、このお金の出所と、なぜ、ここに埋められていたのかを解明するために、AGRASC(押収・没収資産管理回収庁)によって調査が行われると同時に、憲兵隊による捜査が行われてきたようです。

 目撃者を募って、事情聴取が行われ、犬チームによる敷地内捜索が行われ、その箱についたDNAの痕跡のサンプルは科捜研で分析されたりもしたようですが、結局、何も立証することができずに2年が経過した現在、捜査は犯罪行為、違法行為を立証できずに中止されました。

 まともなお金ならば、このような場所に隠すはずもなく、持ち主が名乗り出ることもなかったのです。

 結果的に、法律上、この40万ユーロの半分は、この落とし物を発見して届け出た人のものになり、残りの半分は、この土地の所有者(今回の場合は国有地)のものになります。

 この土地の市長は、この40万ユーロを警察に届け出た2カップルの誠実さを称賛するとともに、市が受け取る20万ユーロについては、この資金を市の「緑化プロジェクト」に使いたいと語っているようです。

 この箱を発見した2カップルが4人で20万ユーロを分けるとしても、1人5万ユーロ(約800万円)です。

 この現代版「ここ掘れワンワン!」、ウソのようなホントの話。

 思わず、犬を飼おうか?と冗談のように思ったり、現実的にこのような収入には、税金がかかるのだろうか?などと考えてしまいます。せっかく正直に届け出たのですから、課税しないであげてほしいなと思います。


40万ユーロの落とし物


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