2023年11月8日水曜日

パリの市営プールの風景

  


 私が定期的にしている運動といったら、もう最近は水泳くらいなもので、何もしないでいれば、衰えるばかりの身体能力を維持するどころか、衰えを少しでも食い止めるくらいくらいなものですが、それでもやらないよりはマシだと、最低、1週間に1度は近所にある市営プールに行って、1㎞泳ぐことにしています。

 ロックダウン中には、家でエアロビクスをしたり、ストレッチをしてみたり、縄跳びをしたりもしていたのですが、一度、縄跳びをしていて、いつのまにか骨折していたのに気づかずに、いつまでも腫れがひかないので、医者に行ったら、骨折していたという情けないことがあって以来、やっぱり水泳が一番、怪我をする危険も少なく、安全だと思うようになりました。

 昔から泳ぐことは好きで、若い頃は毎日1キロ泳いでいた時期もあったのですが、さすがに今では、それは、とんでもなくキツくて、あまりハードルをあげると続かないので、最低1週間に1回1㎞と決めています。

 別に何かのレッスンに通っているわけではないので、好きな時に行って、好きなように泳いでくるのですが、どういうわけか、だいたい同じ曜日の同じ時間帯に行くことになります。

 市営プールなので、学校のある時期は、近所の学校に大半の時間を割り当てられているので(フランスの学校には、それぞれの学校がプールを持っていないので(近所の市営プールを学校ごとに時間帯を分け合いながら水泳の授業を行っています)、一般に公開される時間は、早朝か昼休み、夕方から夜の時間帯に限られているので、私の場合は、早朝はムリなので、だいたい昼休みの時間か夕方になるのですが、その一般公開の時間ならばいついってもいいのに、曜日や時間帯はだいたい、いつも同じになってしまいます。

 水曜日に行くと、小学校はお休みなので、小さい子供がいたりして、また、少人数の子供に水泳を教えたりしているのを見かけたりもします。学生時代、アルバイトで子供に水泳を教えたりしていたこともあったので、子供に水泳を教える様子はなかなか興味深く、平泳ぎを教えている場面に遭遇して、「かえるみたいに足をひきつけて~、エッフェル塔みたいに足を開く~」とか教えているのに、なるほど、なかなかフランスらしい教え方だ・・などと一人、感心していたりしています。

 今週は、ちょっと予定が立て込んでいて、いつもプールに行く日に行けそうもないので、まあ、今週はパスしてしまおうか?とも思ったのですが、近々、日本に行くので、日本で思う存分食べたいので、少しでも運動して体重を落としておかなければ・・と思い腰をあげてプールに行ってきました。

 いつも行かない日に行ってみると、なにやら、ちょっと年配の女性がたくさんいて、どうやら、水中エアロビクスのプログラムをやっているようで、「こんなの初めて見た!」、「違う日に来ると違う光景に遭遇するものだ!」と、それはそれで、いつもはあまり遭遇しない人々、しかも、高齢層の大人数のパワーあふれる女性たち・・ふだん、あまり見かけないタイプの人々です。

 この寒い中、プールの中で、けっこうポップな音楽に合わせて身体を動かしに来ている人々は明るくて元気でパワフルな感じで、しかも、こんなに運動してるのに・・なぜか、けっこう体格のよい人(控え目に言っている)が多いのも不思議です。

 しかし、スポーツジムに通っていたときも感じたのですが、年齢を重ねても、自ら積極的に運動している人々は、明るくて気さくな感じの人が多いような気がします。市営プールゆえ、近隣に住む人がほとんどのため、家も近いせいか、みんなわりと構わずに、お化粧っけもあんまりなく、髪の毛でさえも、適当に乾かして、帽子をかぶって帰っちゃう・・ようなところが、とっても気楽です。

 そんな中、私は、自分に課しているノルマの1㎞をなぜかせわしい気分で黙々と泳ぎ、そんなおばちゃんたちを微笑ましく思いながら、自分が今週も一応、ノルマの1㎞を達成したことに満足して帰ってきました。

 毎日毎日の生活は、ついつい同じルーティーンで動きがちなのですが、たまには、時間帯や曜日を変えてみると、けっこう、全然、いつもとは違う光景やいつもとは違う人々に遭遇して楽しいものだ・・と思ったのでした。


パリの市民プール


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