パンデミック以来、フランスは、まだ第7波のさなかというのに、ここ2年間、感染対策のために行われていたさまざまな規制もほぼ全て撤回され、夏のバカンスシーズンを迎えて、たくさんの観光客が戻ってきました。
パリの街を歩いていても、英語はもちろんのことスペイン語だったり、ロシア語だったり、フランス語以外の外国語がずいぶん聞こえてくるようになり、駅などでもゴロゴロとスーツケースを転がして移動している人がけっこういたりして、「そうそう・・パリってこうだったんだな・・」と思わされたりして、それはそれで、なんとなく、日常を取り戻した感じでホッコリさせられます。
フランスには、なかなかここまでの体型の人はいないな・・と思われるほどのかなりの肥満体型の人も見かけることも観光客が戻ってきたことを感じる一つでもあります。
今年のパリの観光客の状況は、もはや2019年(コロナ前)の人数を上回っているのではないか?とも見られていて、ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿なども、ものすごい行列で、すっかり日常を取り戻しているようで、戻ってこないのは、日本人と中国人だけ・・などとも言われています。
パリにとって観光客が戻ってくるのは喜ばしい話なのですが、観光客が戻るとともに、観光客狙いのスリやひったくりなどの犯罪も戻ってきて、また、大変な被害が発生しているようです。
パンデミックの間、観光客という最高のターゲットを失っていたスリなどの犯罪者にとっては、ここ2年間を取り戻すかのごとく、ここぞとばかりに仕事を再開しているわけです。
私自身も知らない場所を観光したりしている時には、さぞかしスキがある歩き方をしているのではないかと思いますが、やはり観光客を見ていると、これは狙われるでしょ!と思うことも多いのです。
ジプシーの子供たちが集団でやってきたり、アンケートを装ったり、わざとぶつかってきたりして、何か落としましたよ・・と声をかけてきたりして、注意を逸らしたスキに仲間がさっとスリをはたらいていったり、定番のスリの手口は数々あるのですが、今年は、どうやら海外からの出稼ぎスリというのが急上昇(急増加)しているらしく、観光客を装ったカップルなどが、観光地(例えば、ルーブルとかヴェルサイユ宮殿やエッフェル塔、レストランやカフェなどなど・・)に観光しているかのごとく入り込み、仕事(スリや置き引きなど)をしているというので、驚いています。
彼らは自国の言葉(スペイン語だったり、ポルトガル語だったり)で話したり、写真を撮ったりしながら、観光客のふりをしているのですから、同じ観光客だろうということで、どうしたって、油断が生じてしまいます。
以前は、ごくごくきちんとした身なりの紳士タイプのスリや置き引きが流行した時期もありましたが、今年のトレンドはどうやら「観光客なりすまし」のスリのようです。
考えてみれば、地続きのヨーロッパで最大の観光地であるパリは出稼ぎしてでも稼げる絶好の場所なのかもしれません。
せっかくの旅がこのような被害に遭って嫌な気分にならないためにも、パリにいらっしゃる場合は、貴重品は持ち歩かず、華美な服装は避け、まずは、できるだけ狙われないように、万全の体制で観光してください。
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