2024年2月18日日曜日

想像以上だったSNCF(フランス国鉄)のストライキに対する国民の怒り

  


 日頃から、普段は感情を激しやすいフランス人がストライキに関しては、比較的寛容だという印象が私にはありました。

 ストライキやデモなどは、本当にいつもどこかがやっているイメージですが、日本で生まれ育った私にとっては、フランスに来たばかりの頃などは、ちょっと信じがたい気持ちで、怒りまくっていて、「まったく、信じられない国だな・・」と呆れていました。

 しかし、そのたびに怒り狂ってばかりもいられず、怒るのにもエネルギーがいるため、このストライキをどうしたら、回避できるのか?を工夫するようになりました。

 一番困ったのは、娘の学校のストライキで、そのたびに預かってもらえる場所を探し回らなくても済むように、ストライキのない私立の学校に入れ、私だけでなく、娘自身も安定した(というかストライキをやらないというふつうのことなのですが・・)学習環境が保てたことは、本当によかったと思っています。

 バカンス時の長距離移動に関しては、時間短縮の意味もあって、たいてい飛行機で移動することが多かったので、これまでSNCF(フランス国鉄)のストライキの被害にあったことはありません。

 それでも、バカンス時に定期的に行っていたのは、日本ですが、やはり一番、ストライキの被害に遭う確率が高いのはエアフランスで、ストライキのために勝手に帰国便を直行便から経由便に変更されたり、また、空港に着いたら、交通機関全て(電車もバスもタクシーもない)がストライキで身動きがとれなくて、途方に暮れ、いつもお願いしている運転手さんに慌てて電話して、会社の車が出払ってしまっているなか、奥さんの車で迎えに来てくれた・・なんてこともありました。

 というわけで、それ以来、飛行機を予約する際は、私は、できるだけエアフランスは避けるようにしています。

 今回のSNCFのストライキでは15万人に被害が及んだということで、多くの人は、長距離、長時間がかかる長距離バスサービスに流れたようです。

 なかでも、今回はパリ⇔ボルドー間に最も影響が及んだということで、予定されていた便の3分の2がキャンセルになったとのこと、一時、娘がボルドーにいたこともあり、娘は、このパリ⇔ボルドー間のTGVを頻繁に利用していたこともあり、他人事とは思えない気持ちでした。

 しかも、乗客が怒っているのは、そのキャンセル手続きが厄介なこと(自動的に返金されない)や、それでもまだ、返金されるのは、良い方で、返金されるのは一部だけだったり、次回の購入時の割引券で済まされたり、あるいは、まったく返ってこない・・なんていうのもあるらしく、そりゃあ、怒るのも当然のことです。

 この次回購入時の・・という返金の仕方は、パンデミックの際にキャンセルになったパリ⇔ロンドン間のユーロスターでやられたことがあり(娘がこの時期、ロンドンに留学予定だったのが、出入国禁止になったためにキャンセルになった)、その時は、次回のチケット購入時のクーポンという形での返金?でしたが、いつ次に行く機会ができるかもわからないのに、そのクーポンは使用期限付きで、「これじゃ、返金しませんってことじゃない!」と大いに憤慨した記憶があります。

 楽しいはずのバカンスが楽しいどころか、その往復のすったもんだだけで疲れ果ててしまうのですから、もうSNCFはできるだけ使わないようにしよう!と思うのは、当然のことです。

 政府は、環境問題を考慮して、移動はできるだけ飛行機や車は使わず、電車に切り替えよう!などと言っているけれど、その電車でこんな思いをさせられるのは、ゴメンだ!と思うのは、当然です。

 フランスは、ストライキやデモをする権利というものをとても尊重していますが、これはちょっとどうにかしてもらわないと困ります。

 子供が小さい頃は、子供の学校のバカンスにあわせて、バカンスに行かざるを得ず、当然、その期間は、ハイシーズンになるため、移動のためのチケットも、宿泊施設も高くなり、おまけにストライキに遭遇する確率も高いわけで、その全てのリスク?デメリットを受け入れざるを得なかったのですが、今は子供の学校のバカンス期間は避けるようにしています。


ストライキ


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