2024年1月30日火曜日

RATP(パリ交通公団)2月5日から 7ヶ月間のストライキ予告

  


 RATP(パリ交通公団)労働組合が発表したプレスリリースによると、2月5日月曜日から7ヶ月間のストライキ通告を提出したことを発表しています。

 ストライキの予告には、驚かなくなっていますが、今回ばかりは、2 月 5 日月曜日から 9 月 9 日月曜日までという長期間の予告には、「ちょっと、あり得ない!」ともうため息も出ず、一瞬、息を止めている自分に気が付きました。いくらなんでも7ヶ月間という予告は度を越しています。


 彼らは、このストライキ予告の理由として、「2024年の給与措置が不十分である」としており、32時間(週)を基準とした労働時間の短縮(一般的には35時間あるいは37時間)や残業及び休日手当やボーナスの見直しなどの要求も突き付けています。

 この要求が叶わなければ、オリンピック・パラリンピックに向けてピークを迎えようとしている状況で充分に安全で快適な交通網を提供することができないとしており、明らかにオリンピック・パラリンピックを盾にした要求であることは、目に見えています。

 しかし、RATP(パリ交通公団)を利用する側から言わせていただければ、毎年、確実にチケットは値上げし、その上、オリンピック期間前後は、チケット価格がほぼ倍に値上げすることが発表されており(ただし住民、恒常的に利用している人々に関しては通常価格ということになっている)、これまでも、ストライキの他に、時折、交通網が麻痺したり、拡張工事のために度々閉鎖されたりと、この期間の分のチケット代返金してよ!などと思うくらいで、このうえ、またストライキなど・・しかも、こんな長期間なんて、いい加減にしてほしい! 給与や条件の交渉なら、周囲に迷惑かけないようにうまく話し合いをつけろ!と思います。

 現在、農民たちが様々な困難に直面し、怒りを爆発させ始め、あちこちの主要道路をブロックしたりしている中、これがいつまで続くのかはわかりませんが、この動きがダブって進行するとなると、社会機能が麻痺し始める恐れもあります。

 現在のこの同時期に進行しようとしている農民たちの騒動とRATPのストライキは、どうしても、比較して見てしまうのですが、どう考えても、RATPの方は、相対的に一般的な会社と比べてみても、(RATPには、給与・年金手当の他に職員専用に安価に利用できる住宅施設などがあったり、特別な研修休暇システムなどもある)条件は決して悪くないはずで、どうにもその理由が理解しがたいもの、農民たちの訴えについては、多くの国民も支持しているところが大きな違いです。

 オリンピックを盾にすれば、特に交通機関などの場合は、それが動かないなどという事態は絶対に避けたいであろうという一種の弱みに付け込んでいるような要求には、苦々しい気持ちしかありません。


RATP(パリ交通公団)7ヶ月のストライキ


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