2024年1月4日木曜日

パリの美術館 軒並み過去最高来場者数記録

  


 パンデミックのために、一時はほぼ観光客が来なくなり、また、ロックダウンや感染対策のために、閉館になっていたパリの美術館も、すっかり活気を取り戻し、2023年は、概ね、どこの美術館も少なくとも前年を大きく上回る来場者を記録しています。

 なかでも、オルセー美術館は、年間来場者数390万人という歴史的記録を樹立しています。オルセー美術館の来場者数激増に大きく貢献したのは、「ゴッホ展」の開催で、この特設展は、高く評価されていました。

 また、オランジュリー美術館も120万人の来場者を記録しています。

 そして、なんといっても、パリで一番は、ルーブル美術館で、1日あたりの来場者数が3万人といわれ、こちらは桁違い、そもそも美術館自体の大きさも桁違いに大きいので、一度に入れる人数も全然違うので、簡単に比較することはできませんが、こちらは、年間来場者数が390万人と、過去最高記録とまではなりませんでしたが、前年比で14%増になっています。

 しかし、これらの美術館の来場者数の増加は、アメリカやヨーロッパからの観光客が大半を占め、依然として、アジア人観光客(日本、中国、韓国など)は戻ってきておらず、アジア人来場者は、ルーブル美術館来場者の 2.5%に過ぎないと言われています。

 かつては、日本人を含めたアジア人がかなりの割合を占めていたので、大きな変化です。

 パンデミック前にも、すでに日本人の観光客は、かなり減少傾向にありました。

 それまでは、大手旅行代理店のツアーで観光バスで大人数で押し寄せていた団体旅行客がいつのまにか姿を消しました。考えてみれば、以前は、パリの中心部には、観光バスがあちこちに停まっているのをみかけたし、ルーブル美術館の地下駐車場などには、ちょっとギョッとするほどの観光バスが常に停まっていたのです。

 それが、パンデミックを機にパッタリと止まり、それ以降も日本は長いこと感染対策が厳しかったこともあり、日本人が海外に出づらくなったうえに、戦争のために、ヨーロッパに来るには、一段と長い時間がかかるようになり、また、航空運賃も大幅に値上がりしたために、ますます日本人観光客の足は遠のいてしまいました。

 私が友人たちに、「パリにおいでよ!」などと誘っても、ただでさえ、休暇がとりにくい日本で、以前以上に往復移動の時間がかかるようになり、そのうえ、大幅な値上がりとなれば、足は遠のくのも当然かもしれません。

 パリには、大小併せて、約130以上の美術館があると言われていますが、うちの夫は、子どもを美術館に連れていくのが趣味という感じ?で、娘などは、一時、もう美術館には、食傷気味で、子どもの頃は、「また、ミュゼー???」と嘆く声をよく聞いた気がします。また、学校の美術の授業などで、ルーブル美術館に行ったりもしています。

 今から考えれば、我が夫にしては、なかなか上等な趣味で、あとから考えれば、つくづく贅沢な話だったと思いますが、身体を動かすことの方が楽しかった娘にとっては、厳しい修行だったかもしれません。

 しかし、小さい頃のそんな体験が役立ったのか、夫が亡くなった後でも、親戚や友人がパリに来てくれた時などで、私が仕事で休めなかった日などは、一緒に美術館に行って、案内をしてくれたりもしていました。

 娘も他人を案内したりして以来、一時、再び、美術館熱が高まって、やたらと美術館に行きたがり、しばらく、お休みのたびに、美術館巡りをしたこともありました。

 ルーブル美術館は、とにかく広いので、なかなか重い腰があがりませんが、それこそ、一度、パンデミックでしばらく閉館していて、やっと開館したばかりの頃、そして、まだ外国人観光客がパリに来ていなかった頃に、多くの人に、「行くなら今しかないよ!」と言われて、入場者よりも学芸員(美術館で働いている人)の方が多いような時期に行ったことがあり、ミロのヴィーナスを一人で鑑賞するという贅沢な体験もしました。

 しかし、後にも先にも、あんなことは二度とないだろうし、あってもらっても困ります。

 実際に、パリに観光に来る友人などは、ルーブルは広すぎて、時間もかかるし、大変なので、一応、外からだけ眺めるだけで、せいぜい、オルセーか、オランジュリーくらいにしておこうという人も多いです。

 今年は、いよいよオリンピックの年。オリンピック開催期間中も、パリの美術館は、通常どおりに、観光客は受け入れる予定にしているということです。


パリの美術館


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