2024年1月25日木曜日

フランスのニュースでも取り上げられている明治神宮外苑森林伐採問題

  


 今年は、能登半島での地震や羽田空港での飛行機事故のために、年明け早々から、フランスのニュースに日本が登場しました。

 その後、フランスでは、自国の洪水などの災害や内閣改造、また現在も次から次へと起こるニュースに日本の地震のその後の模様を追随するニュースは、あまり表だっては浮上してきていませんでした。

 それが、どういうわけか、ゴールデンタイムのニュースの枠の中に、東京の明治神宮外苑の森林伐採問題が取り上げられていて、ちょっとビックリしました。

 「東京の神宮外苑の銀杏並木はたいへん歴史のある場所で、銀杏の葉は東京のシンボルにもなっている。東京は、新宿区、港区、渋谷区にまたがる大規模な再開発計画で商業施設の入る高層ビルを建築するために、この場所に広大に広がる森林を伐採する計画になっており、多くの反対があがっているにもかかわらず、これを強行するようだ・・」といった内容のもので、この計画に対する反対の(おとなしく、大変、行儀のよい)デモの様子や、またミュージシャンなども反対メッセージを込めた曲を発表したりしていると、桑田佳祐さんが歌っている映像が一部、流れたりしました。

 インタビューを受けているこの計画に反対している人によると、「これは、公共の場でありながら、開発は民間企業が主導しているものなので規制が難しい・・」というようなことを話していましたが、これは、ちょっとフランス人には理解しがたい話で、フランスでは、たとえ民間の事業であっても、その再開発が公益が損なわれるものであってはならないために、政府のチェックはとても厳しく行われ、まず、政府の許可は下りないのがふつうです。

 だいたい、今は、環境問題が何よりも厳しく叫ばれる中、緑化していく方向ならばともかく、古く歴史のある森林、樹木を1,000本近くも伐採するなど、どう考えても世界的にも時代に逆行する話です。新宿区、港区、渋谷区には、もうすでに商業施設はあり過ぎるくらいあり、今、必要なのは、森林であるのは明白なことなのです。

 そもそも、日本はCO2排出量トップ5に入っている国、中国、アメリカ、ロシア、インドなどの大国に比べて、日本はとても小さい国なのに、この不名誉なトップ5に入ってしまっているという現実をどう考えているのでしょうか?

 少し前に、自宅周辺の再開発計画があるので、周辺住民に説明の集会があるというので、「えっ??まさか、工事期間は追い出されたりするわけ?」と心配になって、参加したのですが、これは、現在、在住している人には、迷惑が及ばないように工事は進められるということで、ホッとしたのです。

 それでも、一体、こんな工事、どうやって一体いつになったらできるのやら?と思うほど、美しく再開発された完成予想図のようなものを見せてくれたのですが、「このあたりがこんなになるの?」と緑があちこちに増やされていることにもビックリしたくらいでした。

 たとえば、パリ市内にあるリュクサンブール公園やチュイルリー公園、また、ブーローニュの森やヴァンセンヌの森の森林を伐採するなどは、絶対にあり得ないことで、住民、環境保護団体はもちろんのこと、国も絶対に許可する話ではありません。

 昨今の地球温暖化、異常気象を考えれば、今、必要なのは、どう考えても商業施設の入る高層ビルではなく、森林なのです。これを増やすならともかく、伐採するなど狂気の沙汰で、海外の国々が口出しできる話ではないとはいえ、日本という国の現在の地球環境問題に対しての認識の低さを露呈する話になります。

 すでに、フランスでもゴールデンタイムのニュース番組でも扱われているということは、遠く離れた国とはいえ、やはり問題意識を持って注目されているということです。

 様々な問題において、「海外では絶対に許されない!」と言われることで、日本もそれにならって、態度を改めていくことが、最近は、よく見られるようなので、この森林伐採問題についても、海外のメディアも、すでに目を光らせているということを日本政府も少しはわかっておいた方がよい気がします。

 あまりに常識外れなことをしていると、G7のメンバーなどと大きな顔をしていても、軽蔑されて、対等にお付き合いしてもらえなくなります。


明治神宮森林伐採問題


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