2024年1月7日日曜日

アラン・ドロンの人生終盤の泥沼劇

   


 昨年から、アランドロンの家族間のゴタゴタ劇が報道されていましたが、気の毒なことにその騒ぎは、おさまっておらず、さらにヒートアップしているようです。

 現在、88歳のアランドロンは、どう考えても幸せそうではありません。

 2019年に彼の長年の映画界への功績を讃えてカンヌ国際映画祭で名誉パルムドール賞が贈られたその壇上で、彼は「これが自分が公に出る最後になる」といったような発言をしていましたが、恐らく彼は自分の体調の変化から感じていた率直な心情であったと思われます。

 彼はそれから約2ヶ月後に脳卒中を発症し、以後、療養の日々が続いています。

 アランドロンは、長年、彼の仕事のスタッフでもあり、また友人関係から徐々に恋愛関係に発展したといわれている日本人女性をパートナーとして選んで暮らしており、特に病に倒れてからは、彼女が彼の身の回りの世話、介護を全て行っていたようです。

 しかし、昨年になって、長男を中心とした彼の子供たちがこの女性を彼らを父親から切り離そうとしていると、「モラルハラスメント」で告訴、彼女を追い出してしまいました。

 この時点ですでに、おかしな話・・日常は寄り付かずに、介護は全て彼女に押し付けておいて、気に入らないことがあれば、家族で話し合えばいいことだし、なんといってもアランドロン自身が一喝すれば、済むことなのに、なぜ、告訴までして、長男がメディアにまで登場して、マスコミに公表する必要があるのか? 告訴状を受け取った検察も迷惑な話だろうな・・くらいに思っていました。

 しかし、あれから、またしばらくたって、今年に入ってから、今度は、長男が長女に対して、「父親がスイスで行った認知機能の検査の結果が著しく悪化していたことを妹が隠していた」と、妹を告訴するつもりであると告白。

 どう考えても、この長男、一応、俳優でもあるため、マスコミ慣れしているのか?やたらとインタビューに答えたりして、テレビにまで登場しますが、どう考えても一家をひっかきまわしている「困ったちゃん」です。

 また、この家族の事情をメディアの雑誌やテレビの取材を受けて、ペラペラと話していることに、アランドロン自身が激怒して、今度は彼が長男を名誉棄損で告訴するつもりがあると彼の弁護士が発表しています。

 アランドロンは、彼がこのような息子が展開するメディアに対して妹を攻撃したり、自分の老いを強調して世間に公表することに耐えられないと言っています。

 彼には正式に認知している子供は3人いますが、一番関係が近いのは、娘であり、彼の遺産も彼女が50%、息子2人には、25%ずつに分配する証書がすでに作成されているそうです。

 アラン・ドロンは、「アヌーシュカ(娘)とは異なり、息子アンソニー(長男)については、一度も彼のことを心から信頼したことはなく、今でも彼とはほとんど会ってはいない・・」、「彼は再び自分の名前を利用して、自分に不利な本を出版して知名度を上げようとしている・・」、さらに、「私を放っておいて、私の娘も放っておいてほしい」とも語っています。

 すると、今度は、この長男、父親の認知症を理由に「現在、検察が彼を司法的保護下に置くことを検討している」とし、検察官が署名した書類をインスタグラムに公開。この書類には「アラン・ドロンの医学的専門検査の結論によると、彼の識別能力は完全に廃止されたため、私は彼を司法の保護下に置く手続きを開始することを検討している」とあります。

 なぜ?この長男は、ここまで父親の名誉を傷つけるようなことを公表するのか? アランドロンの認知機能の低下がどの程度なのかは、具体的にはわかりませんが、あまりに思いやりがなく、哀しいことです。

 アランドロンは、最初の妻と結婚するときに、自分の人生にはどうしても自分の子供が必用だと語っていたと言われており、家族や子供への思いはことさら強かったと思われます。しかし、この子供たち(とはいっても異母兄弟)と自分をめぐるいざこざには、あまりにむごいことです。

 輝かしい功績を積んできた偉大なスターであった彼の人生の最終ページは、どう考えても幸せそうではないのです。富も名声も手にしても幸せとは限らない、むしろ、富と名声があったからこその今のこの事態なのかもしれません。


アラン・ドロン


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