2024年1月2日火曜日

フランスでも石川県での地震は夜のニュースのトップ記事

 


 こちらは、のんびりと元旦の一日を過ごしていて、友人たちに「あけましておめでとう」のメッセージを送ったりしていたら、日本の友人たちから、「石川県ですごい地震があって、大変らしい・・怖い・・」というようなメッセージが返ってきて、初めて、日本で大地震があったことを知りました。

 それから、しばらく、ネットのニュースを見たりして、津波の様子やニュースで、「すぐに逃げてください!家や財産よりも命が大切です!」などと、テレビで呼び掛けているのを見て、ほんとに怖いな・・地震って忘れた頃にやってくる・・しかし、しかも元旦なんて、あんまりだ・・と思っていました。

 パリにいると、地震というものはないために、地震というものを忘れがちになっているのですが、フランス人などには、体験がないために他の国の地震などの災害と比較して客観的に見るので、また違った見方をするようです。

 これだけ大きな地震ならば、フランスでも報道されるのだろうな・・と思っていたら、夜8時からのニュースでは、トップニュースとして石川県のニュースが扱われていました。

 地震での被害の様子、駅やコマーシャルセンターの中、一般の家の中、津波が押し寄せる海、地割れを起こしている場所などの映像が次々と流され、被害状況を伝えていました。

 それだけで終わりかと思っていたら、現在、日本当局の発表によると、死亡者は4人だけで(翌日の発表では55人、その後は増え続けているけれど・・)、なぜ、これほどの被害にもかかわらず、日本は最小限の被害に抑えられるのか?という解説もしていました。

 それによると、日本人は常日頃から、地震などの災害に対する訓練を欠かさずにしていて、学校などで行われる避難訓練で机の下に避難したり、落ち着いて行動する訓練をしており、緊急連絡先に問い合わせができたり、緊急避難先などを徹底しており、また、大きな建築物なども耐震構造になっているために日本は、このような大災害にもかかわらず、最低限の犠牲者に抑えることができるのだと解説していました。

 ニュースでは、日本駐在のフランス人などからの話を聞いていて、「日本人は、災害に慣れている・・自分よりもこどもたち(現地の学校に通っている)の方がよっぽど落ち着いて、適格な行動をしていた・・自分はただただ怖かった・・」などと語っていて、さもありなん・・日々の訓練や災害教育って大切なんだな・・と思いました。

 ちょっと日本が褒められたみたいで嬉しかったです。

 しかし、一方では、今回の震源地と言われている石川県志賀町には、原子力発電所があり、現在は、原子力発電所の敷地内に活断層があるという議論が続いていたために、稼働していなかったとのことで、大事にはならずに済みましたが、この原子力発電所を稼働させろと経団連がせっついていたとのことで、もし、これが経団連や政府の圧力により稼働していたら・・と思うと恐ろしい話です。そんな危うさが日本には、あります。

 地震などの自然災害は、戦争などとは違って、大自然が相手の予測も反撃もできない大変なことで、こういった大地震が忘れた頃にやってくる・・また、いつ、どこにやってくるのかもわからない災害を抱えている日本は、その国民性にも影響しているんだろうな・・とも思ったりもします。

 フランスでは、どちらかといえば、災害より人災が多く、それでも最近は、異常気象のためか? しょっちゅう、洪水という自然災害が増加しています。ここ数年で特に多くなってきた災害とはいえ、洪水を避けるとまではいかないまでも被害を少なくできるような防御策とか、対応策はないんだろうか?と思ってしまいます。

 パリのセーヌ川でさえも、毎年のように洪水とまではいかなくても、川の水位が上がり過ぎて、バトームーシュなどの遊覧船などの船が橋の下を通過できなくなる・・なんて話は、ずっと前からよく聞く話です。

 フランスも災害を回避、軽減する方法、日本から学んでほしいけど、日本もフランスから学んでほしいことはたくさんあります。


石川県能登半島地震


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