2024年1月6日土曜日

警察官6人が電磁パルス銃使用で30歳の男性死亡 電磁パルス銃ってなんだ?

  


 モンフェルメイユ(セーヌ・サン・ドニ イル・ド・フランス地域圏)の真夜中過ぎの食料品店で30歳の男性が従業員を襲おうとしていたところ、18人の警察官が出動し、尋問を行おうとしたところ、この男性が反抗して警察官の手に嚙みついたり、顔を殴ったりして暴れ、極度の興奮状態にあり、アルコールの過剰摂取に加え、薬物を摂取していると判断した警察官は、電磁パルス銃を使用して逮捕に踏み切りました。

 電磁パルス銃を使用したのは、18人の警察官のうち6人で、10発以上だったと言います。そもそもは、興奮状態にある男性を落ち着かせるために、男性に一時的ショックを与え、自由を奪うために、一般的な銃ではなく、電磁パルス銃を使用したと見られていますが、なんと、この男性、その後、パリ市内の病院に入院したものの死亡してしまいました。

 私にとって、電磁パルス銃とは、あまり聞きなれないもので、「なにそれ?、そんなものパリ近郊の警察官が持っているの?」とちょっと恐ろしい気もしましたが、この電磁パルス銃とは、別名テーザー銃とも呼ばれるスタンガンのようなものなようです。

 そもそも、この電磁パルス銃は、逃亡を図ろうとしたり、好戦的であったり、潜在的な脅威を持つ人物と対峙する際に一般的な拳銃のような殺傷能力の高い武器に代わるものとして開発されたもので、非致死性兵器と呼ばれていましたが、実際には、重症を負ったり、死亡した例が起こったために、その後、低致死性兵器に分類されているようです。

 今回の事件でも、目的は、あくまでも、局所的な激痛と一時的に筋肉を麻痺させ、その間に暴れる男性を逮捕することが目的だったと思われますが、結果的にこの男性は、死亡してしまったわけです。

 ただ、今回の電磁パルス銃は、6人の警察官により、約10発射たれており、そこまで必要であったのか?は疑問なところでもあり、また、この男性がアルコールによる酩酊状態であったうえに、薬物を使用していた状態でこの電磁パルス銃を受けたことが影響していたとも考えられます。

 いずれにしても、そもそもの事件を起こした本人が死亡してしまったことで、検察は、公権力を有する人物に対する故意の損害、反乱、暴力行為と、公権力を有する人物による暴力行為に関する2件についての捜査を開始しています。

 この男性は、以前から、薬物犯罪、暴力、窃盗、侵入、誘拐、犯罪歴があることが知られていた、いわば札付きの人物だったと言われてはいますが、それが電磁パルス銃で寄ってたかって結果的には撃ち殺してしまうというのも、なんだかな~?と思います。

 このような警察官による被疑者への発砲事件による死亡事件?が起こるたびに思うのですが、死刑制度のないフランスですが、死刑はなくても、現場で警察官が被疑者を殺してしまうって、どうなのかな?と、少々、矛盾を感じるうえに、あまりに多すぎないか?こういう事件・・とも思います。

 パリには色々な種類の警察官がいて、地域の警察官や国家警察、憲兵隊、特殊部隊など、どれがどれだか、よくわからないのですが、気を付けてみてみれば、それぞれ、持っている武器は違い、いわゆる拳銃から、ライフルのような銃身の長いものを担いでいるのを見かけたりすると、思わず、これ?ホンモノだよな・・などと思ったりもするのですが、この電磁パルス銃なるものも持っている場合もあるのだ・・と、いずれにしても、その武器の種類の多さだけでも空恐ろしい気がすると同時に、こういうものを携帯している必要がある治安の悪さがやっぱり一番怖いな・・と思うのでした。


電磁パルス銃 スタンガン テーザー銃


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