無残にも閉められていたメトロの駅の入口 |
今回のストライキは大規模になると事前に予告されていました。にもかかわらず、そんな日にRDV(アポイント)が入ってしまって、もうなんで?この日??とウンザリしていましたが、当日にならなければ、どの程度、交通機関が止まるのかもわからず、わからないのに、わざわざ予定をずらしてもらうのも、予定をどんどん後送りにしていくのも嫌で、まぁ、少々大変かもしれないけど、行けないこともないだろうと、予定はそのままにしていました。
前日にRATP(パリ交通公団)のサイトを見ると、私の利用する予定のメトロは、大変混乱する見込み・・とあり、まぁそれでも、なんとか辿りつけないことではないだろうとタカをくくっていました。
当日になって、いくつかのルートをチェックして、メトロに乗れない場合はバスを乗り継いでいくつもりで、かなり早めに家を出ました。
たいていは、間引き運転で、えらく待たされるうえに間引きされているのですから、その分の人がたまって大混雑という地獄絵図で、それでも最近は早々にテレワークに切り替えている人も多いので、それほどの混乱でもないというような話も聞いていました。
しかし、駅に行くと、混乱どころか、駅がクローズ、私が乗るはずだったメトロは全く運行していませんでした。
仕方なく、バスを2本乗り継いで、通常なら30分で着く道のりを1時間半かかって、ようやく到着。しかし、予定が入っていた場所が公的機関だったため、まさか、約束している人がストライキで来ていないこともあり得るかも??と、怒り心頭になる前に、そんなこともあり得ると心づもりをしていきました。
フランスに来て以来、とりあえず、最悪の事態をとりあえず予想はしておくことで、まさかの事態に、「やっぱり・・」とか、「あ・・大丈夫だった・・」と思えるようなセイフティーネットを自分で張るようになりました。
かなり時間に余裕を見て出かけたつもりが、途中、まさかの遅刻?(私は遅刻が大嫌い)と焦りつつ、どうにか時間ギリギリに約束の時間に到着しました。
彼女に会う早々、「もう、ほんと、来るの大変だった~~でも、あなたがストライキしてなくて、ほんとによかった~~」と言ったら、「ストライキするんだったら、さすがに私は連絡入れるわよ・・歩いてきたの?」と言われて、ホッとするやら、疲れがどっと出るやら・・。
この日のデモは内務省の発表によると、フランス全土で128万人、CGT(労働組合)の発表によると350万人を動員したとされていて、いつもこの両者の発表する数字は大きく異なるのですが、デモはどうぞ、ご勝手にと言う感じでも、こうして実害を被るストライキは勘弁してもらいたいと思うのです。
私は、現在は、めったにこのような目に遭うこともないのですが、それにしても、こうした実害に遭うのは、リモートワークもできない弱い立場の人ばかり。学校なども閉鎖になって、小さい子供を抱える人々も大変な思いをしていると思います。
現在のところ、どちらもあとに引く気配が全くなく、一体、これがいつまで続くのか? 実害に遭ったとたんに「この生産性のない抗議、もういい加減にしたら?」と思うのでした。
しかし、とりあえずは、今回のストライキは3日間連続とかで、国を行き詰らせることが目的なのだそうで、どういう理屈なのか少々理解に苦しむ気もしますが、今回ばかりは全国民に共通する「年金改革問題」です。
これにどうやっておさまりをつけるのか? 日本ならば、無理やり政府が押し通しそうなところ、フランスでは、そうはいかないのです。
ストライキ 年金改革
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