2023年3月17日金曜日

年金改革法案に49条3項発令で法案改変を強行する発表にコンコルド広場が大変なことになった!

  


 大多数の国民が猛反対している「年金改革問題」(62歳から64歳へ定年2年延長など)には、政府首脳が国民を説得できないままに、各方面、ずっとストライキやデモが続けられてきました。

 まるで、両者(政府と国民)の歩み寄りが見えないまま、ストライキはどんどん広範囲の業種にわたり、現在はゴミ収集業者のストライキのため、パリの街は、今日、現在の発表では8000トン以上のゴミが至るところに山積みにされ、ゴミが異臭を放ち始め、まさに、美しい街並みを台無しにしています。

 衛生問題にも発展し、政府はパリ市に対してゴミ収集業者のストライキをやめさせ、職務に戻るように働きかけるように要請しましたが、パリ市長は「市長にはストライキを止める権利はない」とこれを拒否。

 ついには、国が強制的にゴミ収集業者に職務に戻らない場合は罰則を設けることを提案し始めたりで、「フランスでそれやって大丈夫?」と思うような手段を取り始めていたところでした。

 しかし、そんな政府の高圧的な態度をさらに決定的にしたかのごとく、かねてから政府がちらつかせていた通称「49.3」49条3項(議会で採決をとらずに法案を採択する)を発令したのですから、それは大変な騒ぎです。

 49.3条が発令されるやいなや、みるみる人が集結しはじめ、夕方にはパリ・コンコルド広場は大変な騒ぎになり、近辺のメトロの駅も閉鎖され、炎と煙が立ち上るなか、群衆と警察の対決が始まりました。

 これまで数々の問題が起こるたびにフランスでは政治家がテレビなどに数多く登場し、国民との討論番組などに積極的に参加して国民を説得しようとしている姿勢は見事なものだと思ってきましたが、どうにも今回の年金改革問題に関しては、討論番組などが行われても、政府側はどうにも劣勢な感が拭えない感じで、引き続くデモやストライキに両者の根気比べになるのかな? 一体、どのタイミングでどうやって収集をつけるのかと思っていました。

 今回、政府が49条3項を発令するのは、採決をとれば負ける可能性があるために他ならないわけで、だからといって、そのような高圧的な強行は、国民の怒りに火をつけないはずはなく、今後の国民の騒ぎは生半可なものでは済まない予感がしています。


 よく、デモが暴徒化したりすると、ゴミ箱などに火がつけられるのは珍しいことではありませんが、なんと、現在のパリには火がつけられるゴミがいたるところに山積みになっているのは、一層、恐ろしいことです。

 この騒ぎが始まってから、フランスのツイッターのトレンドは1位、ハッシュタグRevolution(革命)、2位、マクロン、3位、年金改革と、この問題が上位を独占しました。

 年金改革についてのこれまでのデモに比べて、一瞬で、一段と過激な感じになったのは、この集結したデモ隊の行動にあらわれています。

 

 フランス政府はフランス国民のキャラクターを理解しているはずなのに、このやり方は彼らの怒りを爆発させるとは考えなかったのでしょうか? 等身大のマクロンの人形が燃やされています。

 政府は49.3条発令で完全に地雷を踏んでしまった感があります。

 その日、コンコルド広場に集まった人々は解散させられ、パリの街に散らばり、結果、あちこちのゴミの山に火がつけられ、あちこちで炎が立ち上るパリはカオス状態に陥りました。

 それにしても、この時期、パリに観光に来ている人々には、まことにお気の毒な感じです。


49.3法案改変強行 パリ破滅的抗議デモ


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