今年の初め頃、フランスでは、消費者保護団体が、コスト削減のためにレシピを変更し、材料の質を落としたり、量を減らしたりしつつ、且つ値上げをしている食品メーカーの特定商品について、その社名、具体的な商品名を挙げて警告を発し、話題になっていました。
具体的な社名や商品名を名指しで指摘するあたり、なかなか強烈だな・・と思ったのですが、消費者側としては、ありがたい情報でもあり、また、なにも、メーカー側を貶めるためというよりは、消費者側の立場にたって、事実を伝えているわけですから、そのような団体からすれば、憚ることなく、情報を開示することに問題はあり得ないのです。
これを機に、私は、チープフレーション(チープとインフレーションの造語)とか、シュリンクフレーションという現象について、少し気をつけてみてみるようになったのですが、今回、日本に来て、このチープフレーションと思われるものに、度々、遭遇しています。
これは、私が一時帰国の際の食べたいものリストに入っている食品だったり、いつも帰国の際には、必ず一度は行くレストランなどでみられていることなのですが、まず、いつも行く昔からよく知っている洋食屋さん、ここは、美味しいだけでなく量が多く、ボリューミーなことで有名だったのですが、そのお店、味は変わらないものの、量がかなり減っており、そもそも多すぎるくらいだったので、私は、構わないのですが、中年になってもわんぱくな弟などは、かなりショックを受けていました。
しかし、量を減らして、値段の高騰を抑えようとするのは、まだ良心的?な方だと思うのですが、明らかに味が落ちた・・品質が落ちたな・・と思うことにいくつか立て続けに遭遇し、非常に残念な気がしています。
ここでは、私は具体的な調査をしているわけではないので、具体的な名前を挙げるのは、避けますが、いくつかの全国でチェーン展開をしているレストランやファストフード的なお店が立て続けに、味が落ちたな・・と感じたのです。
これらは、おそらく日本人ならば、誰もが知っているようなお店のものですが、いつ行っても同じ味だったはずのものが、そうでなくなっており、明らかに材料の品質を下げたような気がします。
チェーン展開をしていたり、ファストフード的なお店なので、もともと、そこまで高価なものではありませんが、それなりに懐かしさがあり、妙に時々、食べたくなるようなもので、私の場合、帰国のたびにとはいえ、せいぜい一年に一度か二度のこと。
逆に味の変化は感じやすいのかもしれません。
インフレのために材料費や加工費が以前に比べてかかるようになっているために、これまでと同じものを作り続ければ、商品は値上げしなければならないのは必須ですが、その値上げによる客離れを恐れているのか、質を低下させるという最悪のことをしているように感じられます。
「うちはクォリティをキープする!」として、堂々と値上げをするか、量を減らしたり、小さくしたりすれば、まだマシだと思うのですが、味が変わって美味しくなくなってしまえば、私の場合、もうガッカリで、もう行かない・・もう買わない・・となります。
まあ、一年に一度しか来ない客のことなどどうでもいいと言われるかもしれませんが、値上げに対して、及び腰な姿勢が透けて見えます。
だいたい全てのものが値上がりしているのに、これらの食品・商品が値上げしない方がおかしいので、値上げしていないとなったら、逆にそのクォリティを疑ってみなければいけないのかもしれません。
そもそも、私はたまに来るだけなので、もともとの値段がどの程度であったのかという感覚が希薄なために、値段の方は、そこまで神経質になりようがないのですが、とにかく、これまで楽しみにしていた日本に来たら食べたいものが減っていくことは、残念なことではあります。
一食もおろそかにはできない日本での食事ですが、今回、いくつかの食品が私の食べたいものリストから消えていきました。
日本のチープフレーション
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