長らくフランス人の好きな軽食ランキングのトップ10には、必ず SUSHI が食い込んでいましたが、今年発表された調査結果によると、SUSHI のランキングが落下したとされています。
フランス人に人気の軽食(ファストフードを含めて)は、サンドイッチやハンバーガー、ピザ、ケバブ、サラダ、パニーニなどで、サラダを除いて、それらは、ほぼ小麦粉文化の食べもので、パンあるいは、それと同種のものと肉やチーズの組み合わせによるものが中心です。
彼らは、SUSHIがトップ10から外れた理由として、フランスでのSUSHIのネタの中心を彩るサーモンの価格の高騰のために、SUSHIがより高価にならざるを得なくなっていることを挙げており、また、SUSHIがより革新性を示せなくなっているためだと分析しています。
フランスでの外食は一般的に高価で、ふつうにレストランでランチをとるとしたら、おそらく20ユーロ(約3,200円)前後が平均的ではないかと思われますが、ここでトップに君臨しているサンドイッチやケバブ、パニーニならば、10ユーロ以下でもなんとかなりそうなイメージ、ハンバーガーやピザですら、それと同等かそれ以上だと思います。
そこへ行くと、SUSHIは軽食扱いされているにもかかわらず、なかなかな値段になってしまうので、価格帯としては、どうにも中途半端な位置付けになってしまうのかもしれません。
しかし、ネタの価格の高騰はともかくとして、SUSHI の革新性などという話は、日本人の私からすればナンセンスで、もはやSUSHIではないようなものをSUSHIの革新性などと評価されることには、微妙な気がします。
そもそも、現時点においても、パリの高級なお寿司屋さんなどは別として、ごくごく一般的に販売されているSUSHIには、甘いお醤油と普通のお醤油の2種類が用意されることが定着しつつあり、それだけでも本来ならば、「お寿司に甘い醤油なんてナンセンス」と思うところを、まあ、よく言って革新的とも言えないこともありません。
そもそもの日本のお寿司から、フランス人好みのサーモンやアボカドに埋め尽くされたようなSUSHIに偏っているのは、フランス人の嗜好に合わせているものであろうに、それを革新性の欠如などと言われるのはお門違い。
軽食として安定的な地位を保っているピザやハンバーガー、サンドイッチ、パニーニなどは、小麦粉文化である彼らの食文化、パンやチーズや肉を使った変化球バージョンで、そもそもが彼らのもともとの食文化と同類のもので、彼らが好むのは当然のことです。
こうして書いていると、いかにも張り合っているような感じになりますが、そもそもSUSHIが、いつのまにか軽食の括りに入れられてしまっていることも驚きです。
以前は、食に関しても、かなり保守的な印象があるフランス人もここのところ、多種多様なものを受け入れるようになり、SUSHIなるものなど、それまで生魚を食べる習慣があまりなかったフランス人にしては、革命的なことであったはずです。
フランス人の好きな軽食
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