私は、海外に生活の拠点を移して以来、日本での税金の申告をしていません。(日本での収入はないので)なので、私が日本で税金の申告をしたのは、大昔の話で、それがどんなものであったのかすら、あまりよく覚えていません。
もちろん、現在は、フランスで毎年、税金の申告をしていますが、現在はオンラインになっているので、そこまで面倒な話ではありません。未だに用紙に記入して送付したり、実際に税務署の窓口に行って申請することも可能ではあります。
私がフランスに行ったばかりの頃は、ほぼ100%が用紙による提出で、その提出期限のギリギリ・・深夜0時には、なぜか、ちょっとびっくりするほどの人が駆け込みで税務署に税金申告の書類を提出しにきていて、なぜだかフランス人の夫もその一員であり、その際に、一緒に来てごらん!と言われてついていくと、税金申告ギリギリのタイミングでの税務署前の様子を見せてくれて、「フランスの社会勉強」となぜか、得意気だったことが強烈に印象に残っています。
時間を正確に守らながちなフランス人がこれほどまでにキッチリと税金申告期日を守ることも意外だったし、また、一年の間の風物詩のように、このギリギリのタイミングに税金申告の用紙を提出する人ごみにわざわざ参加する我が夫のような人もいて、妙な風習だ・・と思ったものです。
とかく、怠惰であまり働かない印象のあるフランスの公務員の中でも、なぜ?税務署だけは、こんなにきっちりと働くのだろうか?と恨めしい気さえしました。
私がフランスでの税金申告をオンラインに切り替えたのは、たしか2018年のことで、やはり、それ以来、税金の申告は俄然、簡単になった気がしています。最近では、オンライン上で入力して申請した時点ですぐに、概算の税金額が表示されます。
その後、数ヶ月後、それが確定した段階で、税金の書類が送付されてきます。この辺りは、フランスは(というより、他の国については知らないのですが)、とても上手くできたシステムが構築されています。
今回、たまたま私が日本に一時帰国している時期が日本の確定申告の時期と重なって、娘は、当然、税金の申告は済ませているとばかり思っていたら、ある日、ぽつんと、「税金の申告期限に間に合わなかったら、どうなるの?」とヤバいことを言い出すので、事情を聞いてみたら、なんと、オンラインで申請しようとしたら、マイナンバーの暗証番号を間違えて、ブロックしてしまい、それ以来、オンライン申請ができないままストップしていると・・。
そのマイナンバーの暗証番号登録のし直しを日本では、オンラインですることができず、区役所にいくつかの書類を持参して、自らが行かなければならないために、区役所は平日の昼間しかやっていないために行けていなかったとか・・。
フランスのシステムしか知らなかった彼女にとって、暗証番号(パスワード)の再設定のためにわざわざ区役所に書類持参で行かなければならないことに憤慨。
それなら、用紙に記入してのカタチでも期日どおりに提出しなければならなかったものをなんとなく放置してしまっていたのでした。
昨年の申告は、概ね会社がやってくれていたらしいのですが、彼女は昨年の途中で、転職しているため、昨年度の収入の半分については、自分で申告しなければならなかったわけです。彼女も日本に来る前までは、フランスでは、自分の税金申告は自分でオンラインでやっていたので、フランスでの申告はどんなものであったかは彼女は理解していたのですが、日本の申告のシステムの違いに、「なんで、日本のシステムは、こことここの数字を入れているのに自動計算にならないのか? システムの作り方がなっていない!」と厳しい指摘。
私は現在の日本での税金申告のシステムというか?形式の作り方について知らないので、彼女の言う、「ここと、この数字を入れたら、自動計算にできるでしょ!」と怒りながら、私に説明してくれました・・が私に言われても・・。
このオンライン申請のシステムの不具合については、日本ならばさもありなんと思わないでもありませんが、それを今の段階でどうこう言っても始まらず、その様式でやるしか仕方ありません。
それ以上に驚いたのは、彼女が払っている住民税の金額とその他の社会保険料等の金額の多さで、「そんなに日本って税金高かったの? 私が日本で税金を払っていた頃は、こんなじゃなかった!」と。いくら彼女の収入が比較的多いかもしれないとはいえ、そこまで高収入というわけでもなく、それで、この住民税等の金額! これで家賃やら生活費など、もろもろ払っていたら、そりゃあ、日本の若者は貧しくなるわけだよな・・と、現在のところ、娘は独身で扶養家族もいないわけで、控除される金額は少ないけど、若いうちは、収入だってそれほど多くはないのが普通なわけで、厳しいのだろうな・・と妙に納得するというか、気の毒に思うやら・・。
フランスも税金や社会保険料は高いのですが、それでも、それに見合うものがもう少しはあるように感じます。娘の税金の申告を通じて、日本での働いている若者に対する仕打ちというか、酷な現実を見せつけられた気がして愕然としたのでした。
日本の確定申告
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