2024年3月1日金曜日

フランス2030 フランスとカタールの戦略的投資パートナーシップ100億ユーロ

  


 マクロン大統領は、今週、フランスを訪問中のカタール国首長を国賓としてエリゼ宮に招き、「フランス2030」戦略と2030年に向けたカタール国家ビジョンの一環として、フランスとカタールは戦略的投資パートナーシップを締結し、フランスの若い革新的企業と投資ファンドに100億ユーロを投資するカタールとの協定にサインしたことを発表しました。

 両国の相互利益のために、特にエネルギー転換、半導体、航空宇宙、人工知能、デジタル、健康、ホスピタリティ、文化・芸術などの主要分野への投資を増やす意図で、フランス経済と密接に関係している分野にも投資されます。

 両国首脳は、ガザ地区における大規模な人道援助の提供と民間人の保護をはじめ、レバノンに影響を及ぼす政治的・経済的問題の解決、国際法と国連憲章に違反するロシアのウクライナ侵略戦争に対する強い非難を表明しています。

 カタール首長の15年ぶりのフランス訪問、両国首脳会談は、何よりも二国間関係の強化に焦点を当てたものであり、「これはフランスに対する栄誉であり、両国を結ぶ絆の深さを示すものである」とマクロン大統領は、強調しています。

 「両国間の強い絆」という言葉は、マクロン大統領が外交の際にやたらと口に出す(まあ外交なのであたりまえといえばあたりまえなのに、なんか、どうもしっくりこない感じも多い)少々ひっかかるところではありますが、すでにフランスはカタールに対するヨーロッパの主要投資国であり、エネルギー、航空、インフラ、観光に90億ドルを投資しており、 また、カタールからの主要な投資対象国 5 か国の 1 つでもあります。

 また、フランスとカタールは安全保障と防衛における協力、特に両国空軍間の協力の重要性を再確認しており、両国が共通の脅威に対抗するために不可欠なラファール戦闘機を保有しているという事実も確認しています。 また両首脳は、特に歩兵戦闘と両軍の相互運用性の分野において、カタールの軍事能力を強化し近代化するために協力したいという共通の願望を表明しています。

 この政治的な話し合いの後には、フランスサッカーチームPSGのスターストライカーであるキリアン・ムバッペと、パリのクラブ会長である実業家のナセル・アル・ケライフィなど関係者?を招待した晩餐会が行われました。

 ウクライナ支援に関する国際会議でマクロン大統領が欧米諸国の地上部隊をウクライナに派遣する可能性も排除しないという過激な考えを述べたことで、ドイツ、イギリス、イタリア、スペイン、ポーランド、チェコなどの欧州諸国からの大バッシングを受けて、国内でも大論争が起こり、さすがのマクロン大統領もへこんだかと思ったら、全く、そんな様子はなかったのは、これだったのか・・このカタールとの強力なタッグがその背景にはあったのか・・と、思わされたのでした。

 それにしても、先週末には、国際農業見本市で農民たちの大反発を受け、一人で農民たちとの話し合いに臨み、早朝から夜までの一日を見本市会場で過ごし、週明けには、原子力政策審議会、ウクライナ支援の国際会議から、このカタールとの首脳会談と、どこまでも強気でエネルギッシュなマクロン大統領。

 今日は、パリオリンピックのためにセーヌ川を視察し、記者に囲まれた際には、セーヌ川の安全性を保障することを豪語し、、「オリンピックの前には、セーヌ川に泳ぎに行く」と約束。

 テンション上がりっぱなしのマクロン大統領、エネルギッシュで元気だな・・と思うと同時に、ここのところ、ちょっと行き過ぎの発言も多い気がして、少々、心配でもあります。

 おかげさまでフランス、ロシアに超、睨まれてるんですけどね・・オリンピック前だというのに・・。


フランスとカタールのパートナーシップ


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