パリオリンピックをほぼ100日後に控え、NGOサーフライダー財団は、6か月にわたるサンプリング調査を実施し、オリンピックのいくつかのイベントが開催されるセーヌ川の水質が「憂慮すべき」状態であると警告しています。
財団は、トライアスロンとオープンウォータースイミングイベントの開催地となるアレクサンドルIII橋とアルマ橋の下で測定された14件の測定のうち、13件が推奨閾値を「上回っている、またはかなり上回っている」状態であったことを発表しました。
欧州トライアスロン連盟の基準によれば、糞便汚染を示す 2 つの細菌、大腸菌および腸球菌の濃度が100 ml あたり 1000 cfu、腸球菌では400 cfu/100 ml を超えてはならず、それを超えると、その水は水泳には適さないと考えられます。
オードパリ研究所によって行われた分析では、大腸菌の濃度が定期的に 2000 cfu/100 ml (2 月 7 日のアルマ橋の下で最大 7,250) を超え、腸球菌の濃度が 500 cfu/100 ml (2 月 7 日の最大 1,190) を示しています。
これらの憂慮すべき結果に直面して、サーフライダー財団は「セーヌ川の水質に対する懸念の増大」を表明し、アスリート、さらにはイル・ド・フランスの住民にとって「汚染された水の中で進行するリスク」を指摘しています。
特に今年に入って天候が悪く、例年にくらべて雨も多く、セーヌ川は水位が上がっており、橋の下を通る船が通れなくなったりしているケースが増えています。これに対し、大会開催側は、オリンピックが開催される夏の期間は「強い日差し、少ない降水量、長い日照時間、少ない川の流れ」となる川の状況も異なるものであり、水泳は可能であると想定していると語っています。
また、イル・ド・フランスは、「雨天時の衛生網を改善する作業が4月と5月に開始され、浄水場の消毒装置を稼働させることによりセーヌ川の水質はオリンピックでも維持される」と釈明しています。
1ヶ月まえほどに、このセーヌ川の水質についてが話題になった頃、インタビューに答えたマクロン大統領がセーヌ川の水質を保障するために「自分がセーヌ川で泳いでみせる!」と豪語したことが水質以上に話題になりましたが、マクロン大統領がセーヌ川で泳ぐ場面が本当にみられるのでしょうか?
一般的に、パリに住んでいる人が「セーヌ川で泳ぐ」とか、セーヌ川で泳いでいる人を見かけたら、「ちょっとイカれている・・ちょっと、あたまがおかしい・・」と思うのがふつうで、ここで泳げと言われたら、かなりなレベルのアドベンチャラスなチャレンジです。
最初にオリンピックには、セーヌ川でトライアスロンをやると聞いた時には(かなり前のことですが・・)、「え~~~??」と驚いたものの、それまでには、きれいにするのかな?と思ってもいたのですが、どうやら、直前になっても水質は改善されていないようです。今回、3ヶ月前になってどうやら水質に問題があるらしい・・などという話を聞いても、「そうでしょうね・・」という感じ。
恐らく、この改善されない理由のひとつは、この雨の多い気象状況にも起因しているとは思いますが、この壮大?なセーヌ川で泳ぐという計画、泳げない場合に備えてのプランを検討するべきなのではないか?との声も上がり始めています。
すでにリハーサルイベントは、キャンセル(延期)されています。
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