パリの景色には、セーヌ川が映り込む映像も少なくありません。水のある景色というのは、美しいものです。歴史あるパリの建築物や街並みの中に映り込むセーヌ川は美しいパリらしい景色の一つでもあります。
しかし、景色として美しいのと、泳げるような美しさというか、清潔な清い感じとは、また別の話で、セーヌ川で泳ぐかというと、感覚的には、ちょっと尻込みするのがふつうな印象があります。
パリに来たばかりの頃、夏の暑い時期などだと、ところかまわず街中の噴水などでも水遊びだか水浴びだかをする人がいたりすることに、びっくりしたものですが、これと同様? いや、これ以上にセーヌ川で泳ぎ出す人がいたとすれば、「ちょっと大丈夫?」と思ってしまうと思います。
しかし、来年のパリオリンピックのトライアスロンの水泳は、セーヌ川のアレクサンドル 3 世橋からスタートする予定になっているようで、このオリンピックに向けて、先日は、一度は、テスト大会のようなものが行われたようですが、昨日のパラリンピックのトライアスロンテスト大会は、水質に問題があるということで、土壇場になって中止になったようです。
その2日前までに2日間にわたって行われていたテストでは、GOサインが出ていたものの、公衆衛生局は、研究所が提供した最新の水質分析結果と高周波サンプル分析装置との間に重大な矛盾があると指摘し、選手の健康と安全を危険に晒すことを避けるためにこのテスト大会は、トライアスロンの水泳部分を削除して行われました。
パリオリンピックでは、セーヌ川で開会式の各国選手の入場行進が行われるということで、話題を集めていますが、その同じセーヌ川で泳ぐというのも、やっぱりなかなかハードルが高いのでは・・と思ってしまいます。
パリを横断するように流れているセーヌ川は特にパリの中心部だと、ジグザグにどこを歩いていてもセーヌ川にぶち当たるような感じで、オリンピックでパリの美しい景色をアピールするのに、セーヌ川を利用するのは、とても素敵なアイディアであるとは思います。
セーヌ川はパリとは、切っても切れない存在で、RATP(パリ交通公団)のマークは、グリーンのサークルに、一見、意味不明のブルーのラインがデザインされたものですが、このグリーンはパリ全体を表し、ブルーのラインはセーヌ川を表しているデザインだと言われています。
パリの美しい景色はセーヌ川とともにあるといっても過言ではありません。
しかし、当初、セーヌ川をトライアスロンのスタート地点として、水泳の場所に定めることで、セーヌ川の水質改善の促進を促すことにも繋がるとも考えられたとは思いますが、一時の最悪の水質状態よりは改善したとはいえ、今後1年の間に劇的に改善されるかといえば、あまり期待できるものではないし、ぶち壊すようで、申し訳ないのですが、私だったら、ちょっとセーヌ川で泳ぐのはごめん被りたい気持ちです。
だいたい、セーヌ川は、大雨が降れば、すぐに洪水、水はけもよくないのか、水位が上がると、橋の下を通るバトームーシュなどの観光船も通行不可になり運航休止になってしまい、いい加減、この時代になぜ、いつまでも対策を講じないのか、長い間の私の疑問でもありました。
結局、今回は、テスト大会が中止になっただけで、オリンピックでのトライアスロンのセーヌ川での水泳が中止になったというわけではありませんが、オリンピックともなれば、今回のようにドタキャンというわけにもいきません。
この異常気象で、夏は、激しい暑さに加えて、今までは考えられなかったような激しい雨に見舞われることもあるようになったこのご時世。早いところ、別の候補地を探した方がいいような気もします。
セーヌ川は見るだけで充分、美しいのですから・・。
セーヌ川 トライアスロン水泳テスト大会中止
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