新年度を目前にして、国民教育相ガブリエル・アタルがフランスの公立校における「アバヤ」の着用を禁止することを発表し、物議を醸しています。彼は、これを「国家レベルでの明確な規則とする」としています。
これは、ただちに左翼指導者の怒りを引き起こし、イスラム教徒女性に対する強迫的規則であると、この公立校におけるアバヤ着用禁止を非難しています。
恥ずかしながら、私は、この「アバヤ」という名前を知らず、一瞬、???となりましたが、映像を見ると、当然、見かけたことはある顔以外の全身を覆うアラブの女性の伝統的衣装であることがわかりました。
フランスでは、政教分離の原則に則り、公立校では宗教的なシンボルを着用することが法律で禁止されているようですが、具体的な衣装を名指し?で禁止というのは、初めてです。
問題はこの「アバヤ」が宗教的なシンボルであるかどうかということが争点となると思われますが、争点云々以上にわざわざ公的に禁止するほど、アバヤを着ている子がいるのだろうか?ということです。
まあ、地域によっては、そういう地域もあり得るのかもしれませんが、少なくとも私は、学生で登校するのにアバヤを着ている子を見かけたことはありません。むしろ、禁止されたところで、関係ない子が大多数だと思われるものをわざわざ「禁止」というような発表をして、反感を買うのもいかがなものだろうか?とも思います。
これに反して、このアバヤを着ることについて、これは宗教的なものではなく、単なるファッションの一つであると言い張る子もいるようです。
ただ、このドレスが宗教云々以前に、学校生活を送るために、便利でふさわしいものであるかというと、そうとは思えないところではあります。
そもそもフランスでは公立、私立ともに制服を定めている学校というのはほとんどなく、服装について、あまり、うるさく言われることもないし、禁止されるとか、縛られるということに慣れていません。
だいたい、この年頃の子たちは、禁止と言われれば、より反抗するようなところもあります。
娘が通っていた学校(私立)では、ある程度の節度ある服装をというぼんやりとした指導はあるようで、節度を外れているような場合は、忠告があったようです。
日本の学校では、制服のある学校も多く、服装や髪型に対してまで、それこそそんな校則いる?と思うほど、厳しい規則を強いている学校もあるように聞きますが、宗教的なものに関する規則というのはあるのでしょうか?
バブル世代に学生時代を過ごした私は、お嬢さん学校に入学した子が入学と同時にイブニングドレスがいると言われたとか、逆に、あの女子大はブーツが禁止らしいとか、毛皮のコートはダメとか、規則とはいえ、今から思えれば、どうかしている、それこそ浮世離れした話ばかり耳にしていました。
今回のフランスの公立校における「アバヤ着用禁止」は、ともすると宗教的な差別とも言われかねないものでもあり、この種の訴訟を専門としている一部の弁護士によると、「アバヤは長いドレスであり、国家公認の権威であるCFCM(フランスイスラム崇拝評議会)の宣言によれば、宗教的な衣服ではない。従って、アバヤは宗教的なしるしではなく、文化的なものである」と説明しており、今後のこの禁止措置は主に行政管轄権への上訴の対象となる可能性があると語っています。
「アバヤ」は宗教か?文化か? 難しい問題です。
フランス公立校アバヤ禁止
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「学校選びは人生の岐路 娘の通ったフランスの学校はなかなか厳しい学校だった」
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