2023年8月27日日曜日

海外在住者の老後 日日(日本人同士)カップルも帰国しない人が増えているらしい・・

  


 私は、そんなに日本人の知り合いが多いわけではないのですが、それでも四半世紀以上もパリに住んでいると、少しは日本人の友人(在仏)もいて、まあ、だいたい似通った年頃か、もしくは、私よりも年上の人が多いので、日本にいる親の介護の話とか、仕事を引退してからはどうするとか? そんな話題も少なくありません。

 どちらかというと、日本人以外のパートナーを持っている人が多く、また、こちらで、アパートや家を買ってしまっている人は、おそらく、老後もこのままフランスで過ごすつもりなのだと思いますし、もうすでに、引退した生活が始まっている人もいます。

 なかでも、独身を通してきた人などは、自分の住まいを縮小して、かなり整理したりして、自分にもしものことがあった場合、日本の家族(といっても、両親はすでにいないために、自分の兄弟やその子供たち)に後のことを頼み、遺言書まで用意して、また、必要な手続きをできるだけスムーズにできるように準備している人までいます。

 私の周囲では、珍しい日日(日本人同士)のカップルは、一応、こちらでアパートを購入し(まだローンが残っていると言っていたけど・・)、「将来は、2人で日本に帰るかもしれない・・」と、以前から話していたのですが、ここのところ、「う~ん・・どうも、あんまり日本には、帰りたくない気がしてきた・・」と言い出しています。

 どちらにしても、まだ、引退しているわけでもないし、決定事項ではないようなのですが、彼女の周囲には、他にも、日日カップルがいるらしく、彼らも、以前は「将来、老後は日本に帰ると言っていたのに、帰らないと言い出した・・」そうで、日本での老後の生活に不安要素が増えたというか、あまり、魅力を感じなくなってしまったというところでしょうか・・。

 日本とフランスの間には、相互の年金を合算して計算してもらうこともできるという協定があるらしく(具体的には、まだ調べていませんが・・)、フランスで働いた分の年金を日本で働いた分と合算して受け取ることもできるようなので、そもそも日本で生まれ育った日本人同士のカップルならば、老後、病気になったり、弱ったりしてきたら、食べ物だって、なんだって、日本人として、やっぱり日本の方が安心と思うのも当然のような気もするのです。

 日本は、どこも清潔で、治安もよくて(海外と比較しての話)、きちんとしていて、何より、生まれ育った我が国は安心だという気持ちは多々あります。

 しかし、長くフランスで生活してきた生活習慣や、また、現在のそれぞれの国のありようを比べて、日本への帰国に二の足を踏んでしまう気持ちもわからないではありません。

 フランスで生活していくために、自分をフランスでの生活に順応させていくうちに、自分自身の行動や、考え方なども変わってしまっているところもあります。

 フランスでは、外国人であるとはいえ、正当な権利をもって(ビザを持って)生活している以上、ほぼ、フランス人と同様の社会保障が受けられます。税金も高いですが、それなりの保障に還元されている気がします。特に、最も弱い立場に陥った場合には、優しい国だと思います。

 もはや、日本の事情の方に疎くなってしまっているところもあるのですが、日本には、それがあるのかどうかが、甚だ疑問でもあります。

 そもそも、歳をとってから、生活環境を変えるというのは、大変なことで、しかも、国をまたいで・・となれば、なおさらのことです。

 私自身もまだ、将来、どうするのかは決めてはいませんが、今のところは、どこに住むか、どこで死ぬかというより、とにかく少しずつ片付けるように心がける・・くらいしかしておらず、今のところは、国というよりも、とりあえずは、今、住んでいる家(アパート)(決して豪華でもないし、きれいなところでもないのですが・・)の自分の空間が心地よいので、今は、動くつもりはありません。

 「猫は、家につく」というように、私も今のところは、この家が気に入っているのでここにいたい・・そんな感じです。

 しかし、老後は日本に帰ると決めていた日本人たちが、こぞって、「日本には帰りたくなくなった・・」と言いだしたのは、ここ20~30年の日本の国の変わりようもあるのかもしれないと、なんとなく、「やっぱり・・」と、うなずける部分もある気がしているのです。


日本での老後生活


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