2023年8月28日月曜日

フランスでも日本でも、最近、もっぱらよく聞くようになった、けっこうキツい親の介護の話

  


 以前は、娘の学校の休みの時期、しかも娘を日本の小学校に少しでも体験入学をさせたいなどと思うと、日本が最も暑くて、過ごしづらくて、航空運賃も最も高い夏に日本に一時帰国することに、いささか、憤りを感じてはいたものの、一方では、一年に一度の日本への一時帰国は、やはり、このうえなく楽しみで、両親も年に一度、孫に会えるのを楽しみにしてくれていました。

 孫というものは、本当に可愛いものらしく、母も手放しで娘をほめちぎり、まだ元気だったうちは、やたらとどこへでも孫を連れて歩きたがり、多分に気難しく、ケチな父親でえさえも、孫にだけはなにやら様子が違って、やたら気前よく、私も夫も絶対に買い与えなかった、携帯ゲームなどをいそいそと2人でこっそり事前に約束して買いにでかけたり、いずれにしても、両親2人ともが、それぞれにとても楽しそうで、これまで私がどんなに親のためにしてきたことも孫の存在にはかなうものではありませんでした。

 しかし、両親は、私の年齢からしたら、わりと早くに2人とも他界してしまい、母にいたっては、もう亡くなってから15年以上も経っているので、周囲の友人たちが親の介護に苦労しているなどという話を聞いても、介護する親がまだ生きていてくれて、羨ましいとさえ思っていました・・つい最近までは・・。

 母は本当に倒れてから、亡くなるまでがあっという間のことだったので、介護らしい介護をする間もなく、また、父の時は、私も弟も海外で生活しているために、けっこう、周囲の親戚などと、ゴタついたりもしましたが、それでも結局、父は最期のギリギリまで家で頑張り続け、介護施設に入って、半年くらいで亡くなってしまったので、私は、父に対しても、母に対しても、ほぼ介護らしい介護をすることはありませんでした。

 その後も、パンデミック前までは、ほぼ1年に1~2度は日本に帰国し、誰もいなくなった家の片付けをしたりして、その際には叔父や叔母たちに会ったりするたびに、父や母がいなくなっても付き合いが続いていることに感謝し、嬉しくもあるものの、どこかで、正直なところ、なんで父と母だけがもういないんだろう?などと思うこともありました。

 今、フランスに居続けるか日本に帰るかなどと考えたりもしますが、今でも両親のどちらかが生きていたら、ブーブー文句を言いつつも、私はきっと日本に帰っていただろうなとも思います。

 しかし、最近は、周囲の友人たちの親も、生きているかわりに、介護はそれなりに壮絶になってきているらしく、多少、ボケてきたり、物忘れがひどくなって、同じことを繰り返したりするのは、仕方ないにしても、ごくごく身近で介護している人に対して、異常に暴言を吐いたり、頑固に家に引きこもるようになったり、やたらと攻撃的だったり、もう耐えられないと音を上げている友人もいます。

 ついこの間は、母娘二人暮らしだった友人がお母さまを見送ったばかりだし、介護する側もされる側も、私が両親を看送った時よりも、歳をとっているため、精神的にも肉体的にも大変そうです。

 つい先日、こちらでも、フランス人の友人と久しぶりに会う約束をしていたら、両親の具合が悪くなったとかで、約束は延期になり、どうやら、コロナウィルスに感染してしまったそうです。

 彼女とは、しばらく会っていませんでしたが、以前に話を聞いた時にも、両親ともに健在?(とはいっても、要介護)ながら、すでに、もう2人とも90を過ぎていると言っていたので、今はおいくつになられたのかわかりませんが、あれからけっこう経っているので、2人とも相当な高齢で(もしかしたら、100歳くらい)、それでコロナウィルス感染などといったら、下手をしたら、深刻なことにもなりかねないわけで、それはそれは大変です。

 彼女自身ももう引退していて、郊外に住んでおり、パリに住んでいる両親の介護に通うのもなかなか大変なようで、フランス人もけっこう長生きで、まさに老々介護の感じです。

 こうなってくると、今度は、あまり長生きして、娘や周囲の人に迷惑をかけたくない・・などと考え始めてしまい、上手い具合に死ぬのも大変・・などと思ってしまい、あまり健康に気を付けすぎるのも困った結果になりかねないなどといらぬことを考えたりもするのですが、こればかりは、自分でどうこうできるものでもありません。

 これからは、自分も含めて周囲もどんどん歳をとっていくわけで、そうなってくると、小さい子供、若い命、しかも自分の遺伝子を受け継ぐ小さないいきものがスクスクと育っていることに別の感動を覚え、両親が娘を無条件に可愛がってくれた気持ちがなんとなく、今はわかるような気がしてきました。


老々介護


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