2024年4月25日木曜日

ニース市長 夏季期間中の13歳未満の夜間外出禁止を発表

  


 未成年による超暴力的な事件や非行の増加や過激化による問題は、昨今、報道されるニュースからも深刻な問題となっているのがわかります。

 そんな背景を受けて、フランス国内の複数の地域の市長らは、13歳以下の未成年の子どもに対して、夏季期間中の夜間外出禁止令を発表しています。

 最初にこの夜間外出禁止令の発令が注目されたのは、ベジエ市(フランス南西部・オクシタニー地域圏)の極右に近い市長の発表で、「13歳未満の未成年者は、4月22日から9月30日まで、午後11時から午前6時まで、市内の3つの地域に外出してはならない」というもので、「これに違反した子どもたちの親は刑事訴追の対象となる可能性がある」と警告しています。

 また、この未成年の非行問題対策に追随し、ニース市長もまたこれに同意する意向を表明し、「5月より、13歳未満の未成年者は午後11時から午前6時までの間、一人での(保護者なしでの)外出禁止」を発表し、これが再度にわたるものであった場合、保護者を強制的に子育て講習に呼び出すようにしたいと語っています。

 外出禁止といえば、コロナウィルスによるパンデミックの際のロックダウンを連想してしまいますが、今回、対象とされているのは、未成年で、しかも13歳未満の子どもの話です。

 逆に市長に禁止されるまでもなく、そんな時間に親が子どもを外出させるということ自体が私には考えられないことで、その子どもがどうこう以前に、そんな時間に子どもの外出を許している親の方がどうかしている気がします。

 しかし、こういう法令が出されるということは、それを看過している親が少なくないということなのでしょう。

 「門限」という言葉がありますが、いい大人ならともかく、13歳未満の子どもの門限が夜の11時というのも、なんなら甘すぎるような気もします。夏の間は日も長く、いつまでも明るいので、暗くなったら、家に帰るというのが夜の11時?ということなのかもしれませんが、そのあたりもなぜ?夜間11時にしたのかは、よくわかりません。

 13歳未満といえば、フランスでいえば、小学校から中学校のはじめくらいの年齢です。

 我が家の娘がそれくらいの年齢の時は、まず昼間でさえも、ほぼ一人で外出させるということもなく、まず、ウィークデーなどは、学校にいる時間が長かったし、お休みの日もお稽古事などで、ほぼスケジュールがキツキツで外出する時間などなかったし、夜に子どもが一人ででかけるなど、想像したことさえもありませんでした。

 休日の日にお友達の家に行ったりするのも、必ず送り迎えをしていたし、私が行けないときは、お友達のパパやママが家まで送ってきてくれたりしたものです。ですから、夜遅くに子どもだけで集まるなどというお友達もいなかったのです。

 子ども自身が非行に走るというよりも、それ以外にも危険な目にあったり、事故にあったりしないかとそんな心配はしていて、周囲の保護者たちも幸いにそういうスタンスの人たちばかりだったので、それは、当然のことだと思っていました。

 こうして考えると、私立の学校は、概して親の意識が高いなので(というか普通なので)、そういう環境に子どもを置くこと、悪い環境から子どもを守ることは、大切なことなのだと思うのです。

 子どもの犯罪の低年齢化や激化、悪化について、社会のせいにする人々もいるようですが、特に未成年の子どもに関しては、ほぼ親の責任だと私は思っています。

 親がしっかりとしていれば、こんな法令をわざわざ制定するまでもないはずだと思うのですが、これが必用だということは、そんな年齢の子どもを放置しているということです。

 子どもも子どもですが、それを許している親の方がどうかしていると思うのです。

 なんなら、深刻な事件を起こしている未成年の年齢を見ていると、14~15歳という年齢が多いような気もするので、13歳未満などと言わずに、未成年は・・としてもいいくらいかだと思います。


13歳未満の夜間外出禁止


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